弁理士法人M&Partners 所長インタビュー

弁理士法人M&Partnersの特徴・強みについて
早速ですが、貴所ならではの特徴や強みについて教えてください
現在(編集部注:2023年4月)、京都・大阪のオフィス合わせて10名ですが、規模のわりに多種多様な業務を取り扱っています。
通常、我々くらいの大きさの事務所だと、比較的少数のクライアント様の出願業務を中心に行うことが多いのではないかと思います。
ですが弊所では出願だけでなく、侵害系の事件、外国からの依頼(いわゆる外内案件)なども多く扱っています。年金更新業務も含めるとクライアント数は約300社と非常にすそ野が広く、様々な仕事を経験できます。経営の面では、不況や急激な情勢の変化に対応しやすいという強みもあります。
あと、外部の弁理士や弁護士等との連携が強いのも特徴です。

非常に多くの企業とお付き合いがあるとのことですが、得意分野などはありますか?
弊所は京都と大阪に拠点がありますが、京都在籍者は電気・情報系、大阪在籍者は化学系や機械・材料系、意匠商標を比較的得意としています。
京都オフィスに在籍するスタッフは私を含めて電気系出身なので、半導体装置やその製造プロセス技術やシステム制御など電気系・情報系が5割くらいになるでしょうか。
とはいえ自動車関係、大学のような研究機関、プラントといった電気以外の分野もあります。化学系なら医薬・バイオ系の企業からもご依頼をいただくこともありますよ。
医薬・バイオ系分野は特に専門性が高く、一般的には敷居が高い分野だと思います。弊所でも最初から取り組んでいた訳ではなく、数年前に海外のクライアント様からこの分野の特許出願案件を初めて受任したのがきっかけです。初めて触れる技術分野でしたが、医療機器等とならんで、今後ニーズが高まっていく分野だと感じました。
このような難しい案件についてはクライアント様と何度もミーティングを重ね、その都度勉強して対応します。場合によっては適切な知識経験を持っている外部の弁理士などにも加わってもらいながら処理しています。
まだバイオ系の受任実績はそれほど多くありませんが、これまでの努力が結実し、最近では、大学の医学系研究室からの特許出願事件なども受任しはじめています。
様々な技術分野を扱っているので、どんな分野が来ても都度学んでいける人、科学的なモノの考え方が身についている人なら大丈夫だと思いますよ。

弁理士・特許技術者の求人詳細を見ても、幅広い分野が並んでいますよね
そうですね。逆に言えば、専門にとことん特化した仕事がしたい方にとってはミスマッチを感じる部分があるかもしれません。
例えばバイオに特化している事務所のように、ずっとバイオの案件だけ、という訳ではなく、可能ならば別分野、化学分野・食品分野などの周辺分野、更には簡単な構造物の特許明細書などを書いてもらえるとありがたいと思っています。
もちろん、どうしてもできないことを無理にやらせるつもりはないので、その点は安心していただければと思います。例えばコンピュータプログラムや情報通信系などは、使う言葉が違ったりするので基礎がない人には非常に難しい分野です。
本人の希望がない限りは、そのような分野までお願いするつもりはありません。
貴所はクライアント数が多いのも特徴、とのことですが、公式HPには「量ではなく質を大切に事業拡大をしてきました」といった主旨の内容が書かれていたかと思います。こちらについてもお話をうかがえないでしょうか
先ほども少しお話ししましたが、弊所は国内外のクライアント様から比較的複雑な業務も多数受任しています。
そもそも今より少人数だった開業当初には一度にたくさんの案件を受けられない、というのもありましたが、弊所に興味を持たれた国内外のクライアント様には「弊所はまだ規模が小さく、たくさんの案件は処理できませんので、出てくる仕事の中で一番複雑なものを1件でいいのでトライアルでいただければ」とお願いしたりしていました。
そうやって頂いた最初のトライアルの1件を短期間で権利化できるように全力で対応する。それがその後の案件に繋がり、現在に至っています。
もちろん、今後事務所の処理能力が上がればより多くの件数を処理できるようになっていけると思います。特許は質が重要であることは否定しませんが、権利行使のことを考えれば、ある程度の「量」を持つことも非常に大切であると思っています。
働き方について

では、そんな貴所では普段どんな風に仕事をしていますか?業務体制やポリシーといった部分を教えてください。
実務担当の弁理士・技術者、事務作業担当の事務・IPパラリーガル(リーガルアシスタント)という意味では分業ですが、ほかの事務所でよくあるような国内・外国、といった分け方はしていません。
大阪オフィスの事務担当は国内事務と外国事務とである程度分かれていますが、京都オフィスについては国内外単位で分業にはせず、事務担当者が国内外、外内業務全てを把握できるようにしています。
また事務の負担軽減・効率化を図るために、2年前からRPAを取り入れ、単純な作業のロボット化に取り組むなど、最新技術の導入にも積極的です。
クライアント単位で分担するのはなぜですか?
国内外で分けると効率は良くなりますが、きめ細やかな提案がしづらくなるからです。
クライアント様には色々なニーズがあり、各社ごとに求められるもの・我々が提供するべきものは違います。
一社の情報が一箇所に集約されていたほうが質の高い仕事になると考えているので、国内外では分けていません。ただ、今後、いまより人数が増えたときどうしていくかはその都度話し合って決めていくつもりです。
入所後の仕事・教育制度
今回採用される方は入所後、どんな風に働いてもらう予定ですか?
入所時点のスキルに合わせて足りないところといった目標を設定して、それに向かって頑張ってもらう想定です。
特別な研修制度などは今のところ準備していません。実務に関しては実際の案件を通じてスキルの習得を目指す、いわゆるOJTが基本となります。そのほかは外部の研修会に出てもらったり、どうしても教えられる人が居なかったら所長の私が教えますよ。
とはいえ受け身で待つのではなく、自分で勉強・改善していただけると良いですね。
こちらが直した内容を見て、今後どう改善すればいいかを自分で考える、といったふうに自分で考えて動いてもらえると助かります。
職場の環境について

ここからは職場環境についてうかがいたいと思います。まず、職場はどんな雰囲気ですか?
弊所ではリモートワークを取り入れているのですが、人によっては毎日出社したり、逆に数週間ずっとリモートで働いたりしています。必要に応じて事務所に来てもらうという形なので、そういう意味ではすごく自由な職場です。
周りに迷惑がかからず、業務効率が落ちないなら自由にしてもらって構わないと考えていますね。
事務所の中の操作は全部リモートでできるよう、私がシステムを構築・管理しています。
す、すごい…!所長ご自身でシステムを作られているんですね!
まあそうですね。ネットワーク機器周りの最初の設定は業者の方に入っていただきましたが、その際にやり方を習得したので以後は私が管理しています。
大学の研究室でUNIX系のシステム管理を手伝っていたこともありますので、大抵のことは自分で調べて対処する習慣があり、業務効率の観点から日々改善をしています。
開業当初から仕事の合間にコツコツとこういった仕組みを築き上げていたため、新型コロナで緊急事態宣言がでたときも、リモートワークへの移行には特に大きな混乱もなかったように思います。
リモート・複数拠点でのコミュニケーション
ひとつ特徴的なこととして、毎日お昼休みの後すぐに短いミーティングを行っています。これは出社の人もリモートの人も全員参加してもらっています。
ミーティングでは業務の予定を確認したり、体感で忙しいかどうかを聞いたりしています。これはコミュニケーションの機会にもなるし、ほかのメンバーの仕事の様子も分かるので、開業以来続けている習慣です。

京都と大阪で分かれている、とのことですが拠点を超えての交流イベントなどは開催されていますか?
2拠点になったのが昨年からで、コロナ禍ということもあり、少人数での食事会は何度かありましたが、大きな交流イベントはありませんでした。今後は忘年会や暑気払い、夜の外出が難しい小さなお子さんがいるスタッフもいるので昼開催の食事会などを、定期的に開催したいと思っています。
ほかには、クライアント様や国内あるいは海外の代理人など、お客様がオフィスに来訪・ミーティングをされたあと食事にいく際に、参加したい人がいれば一緒に行くということもあります。弁当持参の人もいますのでもちろん任意参加です。
私は大阪オフィスのスタッフと、共通の趣味の釣りに行くこともありますよ。
普段から全員がリモートで繋がっているので、業務で相談したいことや提供したい情報などがあればすぐ連絡がとれますし、拠点が分かれていて困ることはあまりないですね。
ワークライフバランスも重視した事務所
続いて、働きやすさ、という観点から見た貴所についてご質問していきます。
今回はM様にご同席いただいているので、率直な感想を伺いたいと思います!
そうですね、私は子供が2人いるのですが、学校行事のある日は午前中は有休、午後は自宅でリモート勤務、などにもできるので助かっています。スポーツクラブ等の会費補助制度があるので、有給を1時間とって早めに帰宅してジムに通う、なども可能です。
また、外部で行われている実務セミナーなどを積極的に受講することもできるので、スキルアップを希望する所員に対しては全面的にバックアップしてくれる体制ではないかと思います。
なにかを強制されるわけではなく、個々の事情に合わせてそれぞれに自分が大切としていること(仕事、家族、趣味等)を最大限尊重してくれる事務所であると感じています。(M様)
リモート勤務が可能ですが、遠方だからリモートがいい、という人もいれば、家だと集中できないから事務所で仕事をしたい人もいますからね。家で勉強できるタイプ/できないタイプがいるのを想像してもらうと分かりやすいでしょうか。
求人を募集した理由

今回はどうして求人を募集しているのですか?
仕事自体は増加傾向にありますし、また、フレッシュな人材に入ってもらって、事務所を活性化させたいというのも大きな理由です。
求める人材像があれば教えてください
コミュニケーション能力は必須かと思います。クライアント様とのやり取りもありますし、事務所のメンバーと仲良くできる力は欲しいですね。
あとは強いて言えば、外国の仕事も多いので読み書きが普通にできる程度の英語スキルがあると良いかな。電話やオンラインミーティングもしょっちゅうありますが、たとえ会話が苦手でも読み書きさえできれば資料の準備を手伝ってもらえますからね。
或いは、コンピューターに強い人であれば、社内のシステム管理業務の一部をお願いしたいと思います。
具体的に求める人物が決まっているというより、活躍できそうな仕事を担当して頂く、やったことのない仕事でもチャレンジしていってもらう、そのうちにその人にあった業務に収まっていく、という感じになるかと思います。
最初の方で分野についてうかがったときも「例えばずっとバイオ案件を担当する、と思うと肩透かしかも」とおっしゃっていましたね。
ほかには、すごく忙しい特許事務所に勤めていた人から見ると落差があるかなと思います。
弊所は従業員のワークライフバランスを重視していますので原則的に残業は最小限にしてもらっています。もちろん、自分の意思で頑張って結果をだしてくれる人には応援しますし、相応の報酬もお渡しするつもりです。
事務所全体としては、仕事も遊びもバリバリやっている活動的な人も、黙々と仕事をこなす職人肌の人も、どちらも歓迎しますよ!
最後にひとこと、転職者へメッセージをお願いします!
これから時代は大きく変化していきます。現状に満足せず、常に進化、チャレンジしていきたいと思っていますので、それを一緒に楽しんでいける方を募集しています。ご応募、お待ちしています!
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