弁理士法人
第一国際特許事務所
所長インタビュー
今回は弁理士法人 第一国際特許事務所の所長、関 和郎氏(以下、関)と同事務所の弁理士、岩崎 晋氏(以下、岩崎)にお話を伺ってきました。
特徴・強みについて
まずは貴所の特徴・強みを教えてください!
関:弊所の特徴は、一つの案件に対して複数の担当者がコミットしていることです。こうすることで、独りよがりな方向に仕事をしていくことが防げ、バランスが良く丁寧な実務の展開を実現しています。
また弊所の弁理士は、過半数が特許庁の審査官、審判官のOBです。拒絶理由通知などを出す側の気持ちをよく知っており、行間の意味も察せられますから、的確に中間処理ができます。また審査官面接へのハードルも低くなります。
岩崎:これまで審査をしてきた人の指導を受けながら、明細書の書き方や中間処理の対応を学び習得していけるのですが、皆さん字面から読み取れる以上のことをアドバイスしてくださいます。
そうやって作った明細書や意見書、補正書は自信を持ってクライアントに提出できますし、自分のためにもなっています。
関:明細書作成や中間対応がメインの仕事ではありますが、国内クライアントに対しては、係争対応、コンサルティング、研修など幅広いサービスを提供していることも弊所の強みです。
またここまでは特許の話でしたが、商標、意匠についても各分野の特許庁OBの弁理士が担当していますので、的確で丁寧な実務、そして的確な指導ができます。
では外国出願についてはいかがですか?
関:国内案件の多くが外国出願につながっています。
案件によって違いはありますが、内外案件は米、欧、中、韓、インド、ブラジル、台湾、東南アジア諸国、中近東など、世界中の国に出願を行っています。
外内についても、米、欧、中、シンガポールのクライアントがいます。
このように世界各国の代理人と交流がありますから、それぞれと情報交換をしながらより良い実務の提供をしていっている次第です。
働き方について
業務で大切にしている、2つのこと
貴所では普段、業務でどんなことを大切にしていますか?
関:まず1つ目は、クライアントや所内メンバーとのコミュニケーションを十分とることです。
しっかりコミュニケーションを取ることは面倒ではありますが、きちんときめ細やかなコミュニケーションを取れば、自ずと納得感のある着地点が見いだせると思っています。
それに、相手の求めていることを的確に汲み取って対応しないと、頓珍漢な対応になって相手を嫌な気持ちにさせてしまいます。そうやってこじれていくと、お互い気持ちよく仕事ができません。
ほかにはどんなことを大切にされているのでしょう?
関:仕事を通じて各人が成長し、スキルアップすることです。
私は、仕事の対価は半分が給料、半分が経験だと考えています。常にスキルアップを意識して業務を進め、改善を積み重ねることが、個人にとっても会社にとっても重要だと考えています。
なので弊所では勉強会を定期的に開催してアップデートに努めたり、個々の案件でも今後に向けたフィードバックをしたり、といった取り組みをしています。
今回入所していただく方も、国内出願→外国出願→コンサル業務、といった感じで対応業務をどんどん広げていってほしいなと考えています。
第一国際特許事務所の「働く上での基本的な考え方」
関:今挙げた2点は業務上で大切にしていることですが、弊所には他に、基本的な考え方として「各人のライフスタイルに応じて、最大限のパワーを発揮してもらう」というものがあります。
従前は、全員が勤務時間・勤務場所をそろえて同じように働く方法が一般的でした。しかしこの働き方は窮屈ですし、時代も個人のワークライフバランスを重視するものに変わってきましたから、私たちもその流れに合わせて体制を整えてきました。
この点については後ほど、伺っていきたいと思います!
入所後の仕事について
今回採用された人は、入所後どんな風に働いてもらうイメージですか?
関:これまでの経験によりますが、基本的には出願明細書の作成業務からスタートすることになります。
クライアントからの事前資料の理解、発明者とのインタビューなど、最初の段階からベテランの弁理士が伴走して、業務を進めることになります。
せっかくですので、岩崎先生の経験も語ってもらいましょう。
岩崎:最初は、ベテランの先生のインタビューに同席させていただくところから仕事が始まりました。インタビュー後は先生方と打ち合わせをして、発明を把握し出願書類の作成方針をすり合わせ、出願書類を作成しました。
現在では一人で発明者インタビューをするまでになりましたが、今でも相談したいことがあれば、随時先生方に質問をしています。
発明者へのインタビューから仕事を始めてもらう、という方針は珍しい印象です
関:これは弊所が分業式ではなく、国内出願から外国の中間対応まで、全部を一貫して一人のスタッフが担当するスタイルだからですね。
発明を権利化する際には、出願対応だけでなく、発明をどう活用していくか、訴訟にどう対応していくか、といった部分まで対応していくべきだと考えています。
また一気通貫で出願後のことを視野に入れた状態だからこそ、明細書作成の段階、あるいは中間処理の段階でこうしたほうがいい、というコンサルができます。
もちろん、出願後を見据えたコンサルは最初からできるわけではありません。
ですが、拒絶理由通知を見て明細書の書き方を反省したり、外国出願に移行したときに(国内出願でああすればよかった)と気付きを得たりすることで一人前になっていきます。
将来的には出願業務だけでなくコンサルティングができるようになり、「あなたにお願いしたいです」と指名されるような弁理士に育ってほしいと思っています。
そこからさらに部下の指導ができる人材になってほしいとも考えているので、弊所は発明者とインタビューする部分から順番に仕事を覚えていってもらうようにしています。
職場の環境について
雰囲気はどんな感じ?
貴所はどんな雰囲気の職場ですか?
関:30人程度の規模の事務所なので、所員全員がお互いの人となりをよく知っている、アットホーム的な雰囲気の職場です。
特許事務所というと「非常に静か」なのが一般的かと思いますが、弊所はワンフロア内に多様な環境があり、例えば所長席周辺は相談者や電話などが多く、話し声が絶えないような環境になっています。しかしそこから離れるにしたがって静かになり、集中できる環境へと変化しているようです。
岩崎:所員から見ても、物事を集中して考えるのに適している環境だと感じながら日々仕事をしています。
食事や休憩も比較的柔軟に取れますし、自分のペースで仕事を進めやすい環境だと思っています。
あと先ほどもお話ししたように、コミュニケーションをしやすい雰囲気があるので、相談や打ち合わせも活発に行っています。
関:とまあ、こんなふうにワンフロアに多様な環境がある職場ですが、お互いの仕事を尊重しあっていますので上手く回っているし、快適に仕事ができます。
とても働きやすい環境!
先ほどの話にもあった通り、貴所は「各人のライフスタイルに応じて、最大限のパワーを発揮してもらう」働き方とのことですが、より詳しいお話を教えてください
関:人生のステージは変わっていくものですから、年2回個人面談を実施して、個人のステージと相談しながら仕事をしてもらっています。
大切なのは、キャリアプランも含め、今後どうしていきたいか目標を持ってやっていくことです。
また、自分に最も適しており最大効率でパワーが発揮できる環境で仕事ができれば、みんながハッピーになれる、と考えていますので働く時間帯や場所の拘束は少なく、テレワークやフレックス制を活用して、自由に設定が可能です。
ですから弊所には、色々な人がいますし、多様な働き方があっても構わないと考えています。
皆さん、どんな働き方をされているのですか?
関:とりわけ弁理士、特許技術者は、一人前になればほとんど出社する必要はありません。数ヶ月ずっとリモートで働いている方もいるくらいです。
雇用形態や年齢も様々で、アルバイトとして働く人からガッツリ働く人、岩崎先生のような若手、自分で事務所を持っていたり定年退職していたりで個人事業主として仕事を請け負ってくれる人もいます。
外国人の職員もおり、ダイバーシティの面でも働きやすさを広げていきたいと考えています。
岩崎様の体感もぜひ教えてください!
岩崎:私は今、子育て中なのですが、家族の調子が良くないときはテレワークを活用しています。
出勤する際にも、フレックスタイムがあるため、業務の進捗が順調なときには早めに退社することもあります。職場自体も岩本町駅(編集部注:東京都千代田区にある、都営新宿線の駅)の傍です。秋葉原駅や神田駅とも近いです。
働き方を柔軟に選べる点は、時間の有効活用にもつながるので、例えば余暇を楽しみたい方、育児や介護などご家族との時間を確保したい方、弁理士試験などを受けようとしている方にもメリットになると思います。
事務所の今後について
これから、第一国際特許事務所をどんな事務所にしていきたいとお考えですか?
関:現在の弊所は、弁理士15人ほどの規模で電気機械分野を中心に仕事をしています。
そして今後は、もう少し大きな事務所にしていきたいと思っています!
というのも、もう少し規模があれば仕事の分配もやりやすくなりますし、専門性の深化やフレキシビリティにもつなげていくことができます。
現在は1つの案件を2人で相談しながらやっているのですが、規模が大きくなれば3人で相談する機会も作れて、新しい発見や成長につながることでしょう。
ほかにも化学材料の分野へ対応できるようになれば、さらに幅広く充実したサービスを展開できてお客様に一層貢献できるのではと考えています!
求人を募集した理由
今回求人募集している理由は、なんですか?
関:業務量の増加と引退する弁理士の補充、新技術への対応のために、新たな人材を募集しています。
では具体的に、どのような人材を求めていますか?
関:SEなどの、システム技術や機械分野の研究開発の経験がある方を歓迎します。
また新しい技術に関わり続けていく仕事ですから、技術に興味関心があって勉強していく気持ちのある方を求めます。
外国出願も多いですから、国内だけにとどまらす、外国出願に取り組む意欲のある方を歓迎します。なお英語の文章を読む能力があれば問題なく働けます。書く方については、専門の所員に翻訳をお願いできるので「英文は書けないよ」という人でも安心してください。
それから、みんなとコミュニケーションが取れる人を採用したいと思っています。やはり事務所の雰囲気が壊れてしまうと、効率ダウンやトラブルにつながってしまうためです。
最後にひとこと、メッセージをお願いします!
関:よほど不向きな方でなければ、正しいメソッドできちんと頑張れば、必ず成功できます!
弁理士業務の面白さも味わってほしいです。