株式会社ニコン 知財部部長インタビュー

ニコンの事業について

ニコンの事業について、簡単に教えてください

ニコンは「2030年のありたい姿」として「人と機械が共創する社会の中心企業」を掲げ、そこを目指して現在は大きく5つの事業を展開しています。

【株式会社ニコンの主な事業5つ】

  • 映像事業
  • 精機事業
  • ヘルスケア事業
  • コンポーネント事業
  • デジタルマニュファクチャリング事業

5つの事業のうち、広く皆様に知っていただいているのはデジタルカメラを主力製品としている、いわゆるBtoC事業の映像事業だと思いますが、実はその売上比率は全体の4割程度に過ぎず、残り6割程度はBtoB事業によるものです。

ニコンのBtoB事業の代表格である精機事業は、半導体製造に欠かせない露光装置を主力製品として、映像事業と同程度の売上比率があります。露光装置とは、半導体チップやフラットパネルディスプレイ(FPD)に回路パターンを焼き付けるための装置のことです。これによってナノメートルレベルの極めて精密な回路パターンを形成することができます。

またニコンでは古くから顕微鏡の製造・販売を手掛けておりますが、ヘルスケア事業では顕微鏡のみならず、顕微鏡で観察した画像を病理診断や創薬支援に活用するソリューションを提案しています。

コンポーネント事業では、ユーザーが使用する完成品の装置ではなく、その装置に組み込まれるコンポーネントを製造・販売しています。コンポーネントとしては、ガラス単体の光学部品をはじめ、多数のレンズを組み合わせてメカ構造により一体化した光学モジュールなど、様々な形態のコンポーネントを提供しています。

最後のデジタルマニュファクチャリング事業は、主要事業の中でもっとも新しく立ち上げた、まさにこれから成長させていこうとしている事業です。金属3Dプリンターなど、レーザーで金属を加工する加工装置と、映像情報をもとにリアルタイムでロボット制御するロボットビジョンを中心に、人と機械が共創する社会に欠かせないデジタルマニュファクチャリングの実現を目指しています。2023年には世界有数の金属3Dプリンター専業会社を買収し、積極的な事業拡大と競争力強化を進めています。

このようにニコンは、カメラばかりではなく、カメラ以外の事業にも多くの力を注いでいる企業と覚えていただけたら幸いです。

貴社の特徴・強みはなんですか?

ニコンの強みは3つあります。

ひとつは、光利用技術と精密技術を基盤とするコア技術によって社会的価値を創造する力。もうひとつは、本物をつくりだす「技術」と本質をとらえる「デザイン」との有機的な連携によって産み出されるブランド力。そして3つ目は、お客様やビジネスパートナー、従業員など多くのステークホルダーからの支えです。

これらの強みを活かして、人と機械の共創の可能性を拡げていきたいと考えています。

知財部の日々の業務について

「知財部の仕事」は会社ごとに様々ですが、ニコンの知財部は日々、どんな業務を行っているのですか?

ステークホルダーに向けてコミットした経営目標を達成するために各種事業戦略が日々実行されています。それらの事業戦略に知財面からどのように貢献できるかを考え、事業戦略に資する知財戦略を策定し、日々の業務のなかで実行しています。

知財戦略は、「知財創出」と「知財リスクマネジメント」という両輪をしっかり連動させながらドライブします。知財創出としては、ニコンの将来の競争力となる開発技術の特許出願・権利化などの業務がそれにあたります。知財リスクマネジメントとしては、他社特許を尊重し、他社特許の侵害を未然に防止するなどの業務があります。

このほかにも、事業部門がM&Aを検討する場合に、対象会社の知財価値や知財リスクを調査・評価する知財デューデリジェンスを実施するとか、事業に関わる知財環境の調査、いわゆるIPランドスケープを行うなどの業務があります。

入社後に担当するのは

そのなかでも今回入社する人はどんな業務を担当してもらう予定ですか?

まずニコンでは、全事業の特許関連業務を、本社組織である知財部が集中管理して対応します。知財部のなかでは、主要事業ごとに主担当となる課組織が構成されていて、各課で担当する事業部の特許関連業務全般を取り扱います。

企業によっては「Aさんは特許出願だけ対応」「Bさんは調査業務だけやってもらう」というように分業が進み、特定の知財業務の専門性を高めているところがあると聞いています。

ニコンの知財部は、それとは異なり、一人の担当者が出願・権利化もするし、知財リスク対応も行います。つまり、各担当者が広く知財業務を担当し、幅広く知財スキルを高めていきます。

知財のジェネラリストになりたい方に向いている環境ですね。
ということは、今回入社する人は将来的に、特許から意匠、商標まで全て取り扱うことになるのですか?

現在の組織体制では、意匠と商標は知的財産部とは別の部門が担当していますので、今回採用する方は、意匠と商標を当面担当することはありません。しかし、将来的にはジョブローテーションによって意匠や商標を担当することも可能です。

特許担当となると、持っている技術知識の分野が重要視されるのではと思いますが…

ニコンは精密機器メーカーであり、光学機器メーカーでもあるので、光利用技術と精密技術を基盤としており、その関連の技術知識をお持ちの方、精通されている方は大歓迎です。

一方で、機械や制御の技術知識が求められる場面も多く、ヘルスケア事業では化学やバイオなどの知識も強みとなります。近年ではAI技術など、多くの製品やサービスで活用される技術専門性をお持ちの方も広く歓迎しています。

ニコンで働く面白さは

ニコンの知財部、ならではの面白さは?

なにより、事業や開発の上流から関われることだと思います。

製品や技術の開発過程において、まさに発明が生まれる瞬間から関わることができます。その発明を開発者と共に、どうすれば事業に役立てられるかを考えながら、特許という権利に成長させることができます。

事業部の経営層ともしっかりとコミュニケーションをはかり、目先の成功だけでなく、将来の事業、ひいては将来のニコンの成功をイメージしながら知財戦略について本気でディスカッションします。そこで合意した戦略に基づいて、事業競争力に直結する知財創出と知財リスクマネジメントに全力を注ぎます。

このように、事業・開発のハイレベルなところから関わることができ、高い視点から将来を見据えた知財業務に携われる環境にありますので、仕事のやりがいや面白さばかりでなく、知財人として大きくスキルアップ、ステップアップしていけることも魅力だと思います。

キャリアについて

知財部内でのキャリアについて、教えてください

大きくは縦のステップと横のステップがあります。

縦のステップというのは、職責等級であり、いわゆる昇進・昇格です。実績を積んで等級を上げることで、より重要な仕事を任せてもらえるようになります。将来的には、希望や適性に応じてマネジメントの道に進んでいただくことになります。

横のステップというのは、担当する事業部をジョブローテーションによって変えていくことを意味します。これによってキャリアの幅を広げていただき、知財人としての視野を広げていただくことになります。

縦と横のステップをどのように進んでいくのかは、その人の希望や適性に依りますが、どちらのステップにも活躍の場とやりがいの場が広がっていると思っていただいて間違いありません。

このほかにも、グローバルに活躍していただくための海外赴任や海外研修の機会が用意されていますので、国内にとどまらずキャリアの幅を広げていただくことも可能です。

職場の環境について

知財部はどんな雰囲気の部署ですか?

現在の会社のルールとして週3日まで在宅勤務することができ、残りの日は会社で顔を合わせます。知財部のみなさんは、リモート環境を大いに活用して各自のライフスタイルを尊重した柔軟な働き方をしています。

リモート勤務が多くて顔を合わせる機会が少ないのでは?と感じるかもしれませんが、みなさん気さくに和気あいあいとコミュニケーションを取れる職場風土がありますので、リモートの壁を感じることなく、周りの人たちとすぐに打ち解けられると思います。

働きやすさ、という面からみた貴社についても教えてください

スーパーフレックス制度を活用することにより、みなさんがそれぞれに最適なワークライフバランスを実現しやすくなっています。年間休日が多く、有給休暇が取りやすい職場でもありますので、それらを併用していただくことで、自分らしいフレキシブルな働き方を見つけていただけると思います。

他にも産休・育休制度、時短勤務制度、介護関連制度など充実しており、みなさんのライフステージに応じた柔軟な働き方を実現できる仕事環境も整っています。男性で育児休暇を取得する実績も徐々に増えています。

求人詳細の仕事内容部分をみるとハードそうな職種に見えますが、残業はどれくらいになるのでしょう?

個人差はありますが、知財部全体では平均して月20時間ほどになります。

担当業務によって仕事が集中する時期があり、そのような時には残業時間が多くなる傾向にありますけれども、月30時間とか40時間といった長時間の残業がコンスタントに発生することはありません。

今回の求人について

今貴社ではどんな人材を求めていますか?

知財業務にやりがいを持って、知財による事業貢献、ひいては経営目標の実現を一緒に目指せる方を求めています。それとともに、知財部員として自己の成長と部門の成長とを同じ目線で考えられる方を必要としています。

個人のキャラクターとしては誠実性、責任感、主体性、挑戦心、成長志向などをお持ちであって、一般スキルとしてはコミュニケーション力、協調性、論理性などをお持ちの方でしたら大変うれしく思います。

目安として、製造業の知財部門で5年以上、特許出願・権利化や特許リスク対応などの知財実務経験を積んできた方が当てはまると考えています。

最後にひとこと、メッセージをお願いします!

ニコンは100年以上にわたり、チャレンジと変革を成し遂げながら、社会や技術、文化の発展に貢献する様々な製品・サービスを提供してきました。そして現在は、2030年に人と機械が共創する社会の中心企業になることを目指して、新たな挑戦を続けています。

私たち知的財産部のメンバーも、そのようなニコンの知財プロフェッショナル集団として、常に専門性と対応スキルの向上を心がけ、チャレンジする歩みを止めません。

ぜひ私たちと一緒にチャレンジしていきましょう。本気のチャレンジで、世界中の人々の豊かな未来へ貢献するとともに、あなた自身も大きく成長していけるはずです。