ビジョナル株式会社
インタビュー
【今回お話を伺った方】
米谷 仁矩氏
ビジョナル株式会社 管理本部 法務室 知的財産グループ マネージャー
北海道大学工学部卒業後、三菱重工業株式会社にて、様々な事業の知財戦略策定、特許・商標出願・権利化、模倣品対策、紛争対応、知財デューデリジェンスなどのM&A対応、海外グループ会社の知財業務支援などに従事。その後、米国ジョージワシントン大学ロースクールに留学し、法学修士号(知財専攻)を取得。2022年8月よりビジョナル株式会社 管理本部 法務室 知的財産グループ。弁護士。
事業について
まず最初に御社の事業内容について簡単に教えていただけますか?
Visionalは、「新しい可能性を、次々と。」を理念に掲げ、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」をはじめとするHRTech、物流、M&A、サイバーセキュリティなどのさまざまな領域で、事業を展開しています。
Visionalは、2020年2月にグループ経営体制に移行し、ホールディングカンパニーとしてビジョナル株式会社が設立されました。ビジョナル株式会社は、主に、グループの各事業の成長を支えるコーポレート部門が所属している会社です。2023年12月には、グロース市場からプライム市場に市場変更をしています。
今回の募集ポジションは、ビジョナル株式会社の法務室内にある知的財産グループ(以下、知財グループ)に所属する知財スペシャリストの募集になります。
知財グループでの仕事について
知財グループについてもう少し詳しく教えてください
知財グループは、2021年に発足し、知財機能の立ち上げ真っ只中の組織です。Visionalでは、各子会社に知財の専任者を配置しておらず、Visional全体の知財業務を知財グループに集約し、10を超える事業の知財活動を推進しています。
現在、知財グループは私1名の体制でして、外部の弁護士・弁理士とも連携しながら、日々の知財活動を行っている状況です。
所掌する業務としては、Visionalで発生する知財業務全てになるので、特許や商標の出願・権利化、調査・分析、管理、紛争対応、社内教育、業務プロセス・体制の検討など、多岐にわたりますが、「事業のための知財」という価値観を常に意識しながら、日々の知財活動を行っています。
「事業のための知財」とはどんなお考えですか?
今は、知財組織・知財機能の立ち上げフェーズで、知財グループとして「やりたいこと」はたくさんありますが、リソースが限られている中では、「今やらないこと」を決めることがとても大事です。
「今やらないこと」を決めたり、「やるべきこと」の優先順位を決めるときの判断基準として最も大事なのは、「事業の成長に繋がるかどうか」です。
知財は、あくまで事業を成長させるための手段の一つであって、知財グループは、事業が描く未来を実現するための方法を考えるファンクションの一つです。
知財観点で、回避し難いリスクがあるときには、事業にストップをかけることはもちろん大事ですが、どうやったらリスクを低減できるか、黒をグレーに、グレーを白に近づけることができるか、知財の専門知識・経験を活用し、事業の一員として考え抜くことができる組織でありたいと考えています。
ただ事業にブレーキをかけるだけの部門になってはいけないと考えています。
具体的な、知財業務について、もう少し詳しく教えてください。
そうですね。まず、現状の業務の中で、一番大きい割合を占めているのは、特許の出願・権利化です。プロダクト部門と連携し、開発やデザインの進捗や成果をヒアリングし、特許として守るべき対象を決めるところから、知財グループが役割を担っています。
そして、特許のクレーム案やカバーしたい実施形態・変形例などを知財グループで検討・整理した上で、提携している特許事務所で明細書を作成いただきます。プロダクト開発のスピードが速く、明細書を作成している間に機能やデザインが大きく変わることもしばしばありますので、明細書レビューの段階で、最新の開発・デザインの状況を改めて確認し、実際のプロダクトをしっかり保護できるようにしています。
また、他社特許調査・クリアランスも、知財グループで主体的に推進しています。新機能開発の際などには、しっかり知財リスクを把握し、最小化するよう、コンセプト段階から事業と連携し、スピード感をもって対応しています。
さらに、社内で知財について知ってもらうための活動にも力を入れています。知財グループだけでできる知財活動はわずかで、プロダクト・デザイン・広報・企画など、周囲の仲間を巻き込んでいかなければ、適切な知財活動はできません。
そこで、社内報の発信や表彰イベントを開催し、知財に対する「とっつきにくい」「難しそう」といったネガティブなイメージを解消し、興味を持ってもらうための取り組みをしています。
知財活動を社内で広め、文化として醸成していくためには、何よりも、普段からのコミュニケーションが大事だと考えています。
ミーティングや1on1などの際には、特許を取ることで将来的にどのような良いことがあるのか、他社特許調査をしないとどのようなリスクがあるのかなど、何度も繰り返し伝え、日々の業務の中で知財を感じてもらう機会を増やしていくことが大事だと考えています。
>知財グループの社内取り組みについて、もっと知る(Visional 企業ブログ)
ずばり、ビジョナル株式会社の知財グループで働く面白さ、やりがいはなんですか?
まず、企業における知財活動全体に、一気通貫で携わることができ、自分で裁量を持って企画から実行までできるのは、面白いなと思います!
規模の大きい知財部門だと、出願・権利化、紛争対応、戦略など、細かく業務が分担されている場合が多いと思いますが、Visionalでは、全ての知財業務に主体的に携わっていくことができます。
また、やはり知財グループだけで知財活動はできないので、同じ志や価値観を持った多くの仲間たちと、スムーズにコミュニケーションを取りながら、知財活動を進めていけるのは良い部分ですね。
「事業のための知財」を本気で実現していくためには、事業に入り込み、事業の当事者として、知財活動に取り組んでいく必要があると考えています。そのために、事業とのコミュニケーションはとても大事にしており、接点を多く持つように心がけていますが、どの事業・どの領域においても熱い思いをもったプロフェッショナルがいて、事業のために何をすべきかを一緒に考えてくれる環境は、本当に貴重だと思います。
米谷氏の経験談
私は、前職での約10年の知財業務の経験を活かして「もっと知財で事業に貢献したい」という思いを持ち、Visionalに入社しました。
入社後は、経営層や事業との距離が非常に近い環境で、事業に対して熱い想いを持つ多くの仲間とともに、事業のために本気で知財活動に取り組むことができ、日々やりがいを感じながら業務しています。
特許1件・商標1件を取得することに、事業を巻き込んでこんなに盛り上がることのできる環境は、他になかなかないと思います。
また、Visionalは、チャレンジすること・変化することを厭わない文化があり、新たな取組を始める際は、多くの仲間が応援・サポートしてくれるところも、非常に良い環境だと感じています。
日々の知財業務の中で、事業の成長に貢献できている手触り感をしっかりと感じることができるこの環境が、私自身の大きなやりがいになっています。
一方で、大変だと感じる部分もあると思いますが…
Visionalは、事業の規模やフェーズが異なるさまざまな事業を展開しているので、各事業のプロダクトやその開発状況を正確にタイムリーに把握しながら、知財活動を推進するのは、ときに難しさを感じる部分です。
一方で、1つの会社に所属しながら、さまざまな事業・プロダクト・技術に触れる機会を得られることは、知財パーソンとして、大きく成長できる貴重な環境だと思いますし、どのサービスも、世の中の大きな課題を解決することを目指しており、そこに知財面から貢献できている感覚を持てるので、とても楽しいですね。
職場の環境について
知財グループは他部門との交流も多いとのことですが、御社はどんな雰囲気の会社ですか?
知財グループは法務室の中の一グループとして、法務室のメンバーと一緒に働いています。法務室には、現在、11名が所属しており、みんな気さくで、年齢や立場に関係なく、フラットなコミュニケーションが取れる職場です。普段の業務でも、法律的な相談を法務室のメンバーにすることも多いですし、特許や著作権に関する契約の相談を私が受けたりすることもあります。
法務室以外の部門とも、とてもコミュニケーションを取りやすい環境で、部門間で壁を感じることはありません。当社には、1on1や壁打ちの文化が根付いていて、業務やキャリアなどについて話したい人がいれば、部署や役職を越えて、気軽に1on1を設定できますし、自身の経験・知見を進んで教えてくれる人ばかりですので、役員含め、とてもコミュニケーションが取りやすい環境だと思います。
働きやすさという面から見た御社について、教えてください
働く時間より、生産性の高さを重視していて、フルフレックス制やリモートワーク制をはじめ、効率的に働ける・安心して長く勤められるよういろいろな制度が導入されていますし、有給も取りやすいです。用事があるときなどは出勤・退勤の時間を調整したりなど、柔軟な働き方ができます。
これ以外にもたくさんの制度があるので、ぜひ詳細はHPもご覧ください。
今回の採用について
現在、御社ではどんな人材を求めていますか?
一番大事なのは、「事業のための知財」という価値観に強く共感してくれることです。持っている知財のスキルや経験は、それぞれ内容・レベルはさまざまかと思いますが、それぞれ培ってきた知識や経験を、事業の成長を後押しするために活用したいという思いがある方、知財活動のベクトルが会社や事業の成長に向いている方を求めています。
また、限られた人数で、多数の事業の知財活動を担っていく必要があるので、当事者意識を持って、意欲的に動くことができるタイプの方が、マッチするのではないかと思います。
加えて、Visionalが掲げるValueの1つでもある「変わり続けるために、学び続ける」は、知財グループにとっても大事な考え方です。M&Aを含め、Visionalの事業はすごいスピードで変化・進化を続けています。それに合わせて、知財活動も常に変化を続けなければ、持続的に事業の成長を後押しすることはできません。そのような変化を楽しみながら、どんどん新しいことを学び、ワクワクしながら新しいチャレンジをできる方と、Visionalらしい新しい知財組織を一緒に作っていきたいと考えています。
なお、特許に関して、扱う技術分野は、現在は、ソフトウェア特許がメインになります。これまでソフトウェア特許を扱ったご経験がなくても、入社後に、実際にプロダクトを触ったり、エンジニアやデザイナーの仲間から教えてもらったりしながら、最新の技術を学ぶことができるので、例えば、機械や電気などの特許のご経験しかない方でも問題ありません!
最後に、今回の求人に応募を考えている方に向けて、一言メッセージをお願いします!
これから数年後、Visionalがどんな領域で事業を展開し、どんな姿になっているのかは想像もつきませんが、この先も、知財グループは、知財のプロフェッショナルとして、メンバーそれぞれが持つ力を事業のために最大限に発揮し、事業の成長を支え続けていきたいと思っています。
そのために、知財戦略や知財活動を自ら考え、自ら実行に移していける方と一緒に働けたらいいなと思っていますし、Visionalには、そういった方が活躍できる環境・土台があります。
私一人でできることは限られていますし、まだまだ知らないこと・できないこと・悩むことばかりですので、仲間として互いに補い合い、一緒に高め合っていけるチームを作りたいと考えています。
そんな、知財グループで一緒に働きたいと思っていただける方、心よりご応募をお待ちしています!
応募前に話を聞いてみたい!そんな時はカジュアル面談
カジュアル面談とは採用面接のまえの話し合いの場。簡単に言うと、個別に行う会社説明会のようなものです。
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