国立研究開発法人物質・材料研究機構 インタビュー

国立研究開発法人物質・材料研究機構(略称:NIMS)について

国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)は、どんな機関ですか?

国立研究開発法人物質・材料研究機構は、物質・材料科学技術に関する基礎研究および基盤的研究開発等の業務を総合的に行い、それにより物質・材料科学技術の水準の向上を図ることを目的としています。

国立研究開発法人はいくつかありますが、我々は理化学研究所や産業技術総合研究所と並んで、特定国立研究開発法人に指定されています。

特定国立研究開発法人は、国立研究開発法人のうち、国家戦略に基づき科学技術イノベーションの基盤となる世界トップレベルの成果を生み出す創造的業務を行うとされる機関が指定されます。

またNIMSは、理化学研究所や産業技術総合研究所と違って材料科学分野に特化し、国の機関として、唯一の材料科学分野の専門研究機関となっています。

NIMSは世界トップレベルの研究所

NIMSは論文の被引用数やライセンス収入にも特徴があります。

NIMSは材料科学分野で最も影響力のある日本の研究機関と評価を受けていて、なおかつ材料科学以外の分野でも高い影響力を持つと評価※1されました。

また論文のレベルも高く、論文数に対しての世界トップ1%論文の割合が高く、世界トップクラスの研究大学・研究機関と肩を並べています※2。(編集部注:トップ1%論文とは、論文の被引用数が当該分野の上位1%に入る論文のこと。他の論文への引用数が極めて多いことは、引用された論文の注目度の高さを示す)

そして研究者100人あたりのライセンス収入も非常に高く、国内No.1という実績があります。※3があります。

細かい数字等はホームページでも公開されているので、ぜひこちらもご覧ください。

※1 出典:インパクトの高い論文数分析による日本の研究機関2023年版 – クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
※2 出典:SciVal(2023年4月)
※3 出典:2020年度UNITT技術移転サーベイ

例えばどんなところに、NIMSの開発した物質・材料が使われているのでしょう

代表的なものをいくつか挙げますと、NIMSの開発したサイアロン蛍光体は、青色発光ダイオードを用いて効率よく発光させることができ、耐久性と耐熱性にもすぐれているため、環境負荷の高い水銀使用の蛍光灯に代わる「白色LED照明」の材料として、多彩な白色発光を実現しました。サイアロン蛍光体を使った環境負荷の少ない次世代照明への応用が期待されています。

またサイアロン蛍光体を使った白色LEDは液晶テレビのバックライトにも使用され、高輝度化による高発色・高画質化も期待されています。

また、超耐熱材料の開発も挙げられます。この材料は最新型ジェットエンジンのタービン翼として実用化され、国際線1機あたり年間約1億円の燃費削減効果をもたらし、なおかつ地球温暖化ガスの低減にも貢献しています。

ほかにも新しい形状記憶合金を開発し、ビルの制振ダンパー材料として実装しました。この新合金は疲労耐久性が従来品より大幅に高く、延性と耐腐食性にも優れた特徴を有しています。新合金を利用した制振装置はJPタワー名古屋を皮切りにいくつかのビル・建築物に既に利用されています。

>>NIMSの研究成果をもっと見る(公式HP)

>>NIMSの研究についてもっと見る(公式YouTubeチャンネル)

日々の仕事について

広く綺麗で、開放感のある構内

では今回採用される人は、具体的にどんな仕事をするのですか?

今回は「特許技術専門職」と「特許事務専門職」の2職種を募集していますので、それぞれを順番に紹介していきたいと思います。

明細書作成などの特許実務担当・特許技術専門職

まず特許技術専門職は、特許出願まわりの特許実務を担当していただきます。特許事務所でよく募集されている「弁理士」「特許技術者」をイメージしてもらうと分かりやすいでしょうか。

NIMSは研究者の集団で、その成果は論文だけでなく、発明の創出もあります。この発明を特許にして広く企業などに利用してもらい、社会実装につなげていくというのも重要な仕事です。

そしてNIMSでは、特許事務所を通さず、NIMS内で明細書を作成、権利化、維持管理をする”内製化”を採用しています。特許技術専門職として採用した弁理士や企業知財部経験者に、研究者との発明相談から出願、権利化まで担当していただくという形式で権利化業務を行っています。

特許技術専門職として採用された人は、ライセンス関係の業務や発明発掘も担当するのでしょうか?

いいえ、ライセンス契約関係の業務は企業連携室という、別の部門が担当していますが、必要に応じて、知財の立場から協力することもあります。またNIMSでの権利化業務は、基本的には、研究者から発明相談が持ち込まれることでスタートしますが、同じ研究者を長きにわたって担当いただくことにより、発明創出前の研究成果が出た段階でご相談いただくこともあります。

ですから特許技術専門職には、明細書作成や中間処理などの権利化業務に専念いただく一方で、研究者にとって身近な特許相談相手となってもらうことが望ましいです。

J-PlatPatを見ると、共同出願となっている研究もかなりの件数あるようですね

そうですね。共同出願の場合、明細書作成は代理人に頼んでいまして、特許技術専門職には企業の知財部員のような働きをしてもらっています。

具体的には、代理人に依頼前のNIMS発明者との発明相談、代理人・共同出願人との打ち合わせ、代理人作成の明細書案の確認など発明者のサポートをお願いしています。

特許事務全般の担当者・特許事務専門職

ではもう1つの職種は、どんな仕事をするのですか?

先ほどお話したように、NIMSでは明細書の作成を内製化していることもあり、自分たちで権利の管理や特許庁とのやり取りを行わなければいけません。

期限管理や年金管理、出願書類の提出作業、特許庁との対応といった、特許出願に伴う様々な管理事務を担当していただくのが「特許事務専門職」になります。

こちらも即戦力の方を希望しておりますので、企業又は特許事務所において特許出願、特許維持管理業務の経験をお持ちの方で、知的財産権管理技能検定3級(管理業務)の資格または同程度の知識を有する方のご応募をお待ちしております。

NIMSで働く面白さ

企業の知財部と似ている部分もありますが、逆に、知財部や特許事務所で働くのとはどんな違いがあるのでしょう。

企業での仕事は、新製品や新サービスといった、出口が決まっているものだと思います。

ですがNIMSは基礎研究および基盤的研究開発を行う研究機関ですので、必ずしも研究開発に対する出口が決まっているわけではありません。その分、新しい材料を”今後どう活用していくのか”をよく見据えて明細書を作る必要がある点は、企業知財部との大きな違いかと思います。

研究者と密接に関わり、研究者と対等な立場で、ゼロから明細書を作成するという点で特許事務所と異なるかと思います。

ズバリ、NIMSで働く面白さは?

新しく生み出された材料・物質をどう活用していくのか?実用化に繋げるためには特許をどう取っていくのが良いのか?といった戦略を発明者とともに練っていくところは、やはり面白い部分だと思います。

このような戦略や明細書作成においては、特許技術専門職の裁量が大きく、自由に、そして存分に腕を振るえます。

それから厳しいノルマがあるわけではないので、1件1件の発明や明細書にじっくり向き合いやすいのも、技術が好きな方にとっては楽しさを感じる部分ではないでしょうか。

職場の環境について

周囲も緑豊かな環境

職場の雰囲気について、知りたいです

今回採用される人が所属する知的財産室は、共同研究契約や特許ライセンス契約を担当する企業連携室と併せて1室で30人程度の大部屋で、パーテーションによる垣根を設けずに仕事をしています。

パーテーションが無いことでコミュニケーションが取りやすく和やかな雰囲気で、ピリピリした空気感はなく、専門職同士ということもあり本当に気さくに相談ができます。

声をかけあうのは技術担当、事務担当、それから企業連携室を問わずに行われていて、コミュニケーションが密な職場だと思います。

働きやすさについて、教えてください

NIMSはフレックスタイム制を導入しているので、ある程度時間に融通が効くのは良いところです。

基本は出勤ですが、週1日は在宅勤務ができますから、そういった意味でも柔軟さのある働き方ができます。

またNIMSの職場は茨城県つくば市、と聞くとすごく遠いように感じるかもしれません。ですがNIMSの職員約1500人のうち、かなりの数がつくばエクスプレスを利用して電車通勤をしています。

つくばエクスプレスはとても便利で、秋葉原、北千住、南流山、流山おおたかの森など乗り換えできる駅も多く、都内からはもちろん、千葉や埼玉からもアクセスしやすいです(秋葉原~つくば間・快速にて45分)。

つくば駅からNIMSの研究所までも徒歩で移動できる近さなのも良いところだと思います。

今回の求人について

今回はどのような人材を求めていますか?職種ごとに教えてください

特許実務を担当する特許技術専門職のほうは、基礎研究に興味のある方や研究成果を実用化に繋げることに関心のある方に来ていただけたら嬉しく思っています。

若手・ベテランを問わず、企業知財部や特許事務所で働いてきた方が、これまでと働き方を変えてじっくりと研究に向き合い、実用化につなげる手助けをしていただくのも歓迎しています。

またNIMSには物質・材料に関する多種多様な技術分野がありますので、未経験の分野を担当いただくことで、ご自身の技術分野を広げることも可能です。このように、NIMSで5年ほど経験を積んで、培った最先端材料の知識をもとに、新しい道に進むというのも良いと思っています。

一方の、管理事務を担当する特許事務専門職のほうは、コミュニケーション力のある方に合った職種だと考えています。

特許事務専門職は仕事柄、コミュニケーションを取りながらいろんな業務を進めていく必要があります。またイレギュラーな案件も起こり得ますから、そういった時にもお互いに相談していくことが必要になります。

ですから特許事務専門職は、コミュニケーション力の高い人のほうが先輩職員達とも馴染みやすいかと思います。

どちらの職種も求人詳細に「無期労働契約転換職員採用制度あり(当初採用日から3年経過以降に採用試験実施)」とありますが、これは…?

まず今回募集しているのは2職種とも任期制職員で、1年ごとに契約更新・最大5年までとなっています。

そしてNIMSには1年契約の任期制職員、65歳定年(段階的に延伸中(現時点は61歳)。以下定年については同様)の定年制職員、そしてその間に無期労働契約転換職員という形式があります。無期労働契約転換職員になると65歳の定年まで雇用される形になります。

ですから今回採用された人は、もし3年目か4年目に採用試験を受けて合格すると、無期労働契約転換職員になって、最大5年の任期制から65歳の定年まで雇われる形に変わります。

最後に一言、メッセージをお願いします!

NIMSではNIMSの10年後のあるべき姿やその実現に向けNIMSビジョンを策定しました。

【NIMSビジョン】
材料で、世界を変える
物質・材料の進化と革新を先導し、未来社会を豊かにする

このビジョンに向け、特許を通じた世界最高水準の研究開発成果の創出・普及及び活用の促進を、最先端を行く研究者と一緒に取り組みたい。そんな意欲をお持ちの方からのご応募をお待ちしております。

 

※下の「求人詳細」ボタンから見れるのは、特許実務を担当する特許技術職の求人詳細です。特許事務全般を担当する特許事務専門職の求人詳細はこちらからご覧ください。