経験者は語る!特許事務所ごとの意外な違い【転職成功談】
今回お話を伺ったのは、現在弁理士として活躍しているTさん。複数の特許事務所で働いた人だから分かるアレコレを教えて頂きました。
経歴
名前:T.I
転職したときの年齢:40代前半
前職:特許事務所、技術部(勤務歴2年)
現職:特許事務所勤務の弁理士(勤務歴8年)
応募した求人数:15ほど
現職の業務内容
現在は、どのような仕事をしていますか?
特許(機械)の出願・中間処理といった手続きがメインですが、意匠や商標も対応することがあります。国内と外国の割合は、やや外国の方が多いです。
転職したきっかけ
転職しようと思ったきっかけは?
大学院修了後、装置メーカーに5年勤務した後、特許事務所に転職しました。前職は小規模の特許事務所に勤務していたのですが、メインクライアントとの取引が終了し、事務所を縮小することになったため、転職しました。
知財業界で働くきっかけ
そもそも、知財業界で働こうと思ったきっかけ・理由は?
大学院で物理を専攻し、装置メーカーに就職したのですが、機械のスキルが不足しているため設計業務ができませんでした。その一方で、大学の学部で知的財産権の授業を受けていたこともあり、知的財産権についてもともと興味がありました。
そこで、エンジニアとしてのスキルアップを図るために、弁理士試験の勉強を本格的に開始し、知的財産法と技術の両方の知識を使いこなすことのできる知財業界に転職しました。
具体的な転職活動について
どうやって知財業界の求人を探したのでしょう
知財業界の求人については、以下のものを用いて探しました。
- ハローワーク
- パテントサロン
- リクナビNEXT
- プロキャリア
これらのうち、プロキャリアは転職エージェントでエージェントの方がつきます。
エージェントの方は、転職先の候補をリストアップし、採用担当者との連絡をしてくださいます。転職エージェントを使うメリットは、個人で転職サイトを検索して職場を探すよりも、少ない労力で転職先を見つけられることだと思います。
その一方で、転職エージェントを利用した場合、キャリアや給与面でやや難易度の高い転職先については、紹介してくれない傾向があるように感じます。
応募する求人はどうやって決めましたか?
私は特許事務所を中心に応募しました。応募する特許事務所を選ぶ際には、J-PlatPatで特許事務所の扱っている公報を確認し、技術内容を理解できる案件を扱っている特許事務所に応募しました。
これは、技術分野が違うと入所後に仕事をこなすのが難しくなるためです。
転職を成功させるために
転職するにあたってしたことは?
前職では、メインクライアントとの取引終了によって転職活動を開始したため、給与面についてはこだわらず転職活動をしました。
求人情報については、さきほどのサイト類を用いて、機械系の特許事務所を探しました。技術分野が違うと入所後に仕事をこなすのが難しくなるため、技術分野について理解できそうか、という点について慎重に検討しました。
ちなみに…装置メーカーから特許事務所へ転職するときに意識したことはありますか?
装置メーカーから特許事務所へ転職する時は、特許の実務が未経験であるため、実務を熱心に教えてくれるかどうか、を意識しました。
この点については、面接で直接聞かないと中々わからないため、面接の質疑応答に基づいて判断しました。
前職との違いについて
まずはメーカー時代と知財業界の違いについて教えてください!
メーカー時代の業務は、あるプロジェクトを複数人で行うものが多かったです。その一方で、知財業界(特に特許事務所)では案件の大半を一人で完結するものが多い、という点で違いがあります。メーカー時代は、複数人でプロジェクトを実行していたため、グループ内での連携やコミュニケーションが、知財業界よりも重要でした。
職場の雰囲気も、装置メーカー時代と大きく異なります。キーボードの音だけが聞こえる、とても静かな職場です。
挨拶以外の会話をすることなく、一日が終わるということも珍しくありません。
転職前の職場と、今の特許事務所に大きな違いはありますか?
転職前の職場は、少数のクライアントから多数の案件を受任する特許事務所で、国内の特許をメイン業務としていました。
逆に今の特許事務所は、メインのクライアントから多数の案件を受任すると共に、他の多くのクライアントからも案件を受任しています。案件は国内・外国共に扱い、分野も特許・意匠・商標のいずれも、と幅が広くなっています。
そのため転職前の職場では、取り扱うものがいずれも比較的似ている案件となることが多かったのですが、今の職場では、取り扱う業務が案件毎に大きく異なることが多いです。大きな違いはこの点でしょうか。
今の職場の印象・感想を教えてください
今の職場(特許事務所)は、クライアントに対して知財に関する提案を積極的にすることが求められるため、法律面・技術面について、幅広く勉強をしなければいけないという印象があります。
特許事務所によっては、判例研究などの高い専門性を要求されるところもありますが、今の職場では、比較的幅広い知識が要求される傾向があります。
将来のキャリアプランについて
今後のキャリアプランは、どのようなものをお考えですか?
私のキャリアプランとしては、中小企業に対して、知的財産に関するコンサルタント、特にクライアントの経営側に多少入り込んだアドバイスや、クライアントの事業に有益な特許や意匠などの権利取得をできるようにしたいと考えています。
最後に、これから転職する人にアドバイスをお願いします!
知財業界の特徴として、技術の変化や法律の変化に対応するため、これらの知識に関するアップデートが常に要求されること、給与面などの待遇については、個人のスキルや売上が反映される、という点があります。
その一方で、これらの事項について、上司やクライアントの要求に答えられず、知財業界を去っていく方もいます。
知財業界で生き残るためには、それ相応の成果が要求されますが、その一方で、特許事務所では、自分のスキル次第で給料を上げることも比較的容易です。
知財を仕事にしたいという気持ちのある方の参入をお待ちしています。
本日はありがとうございました!
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