転職先は大手にする?大規模特許事務所はどんなところか

転職先・就職先として、まず真っ先に候補にあがるのが大手特許事務所だと思います。今回は、大手特許事務所はどんなところか、触れてみます。

大規模特許事務所とは?

事務所の人数規模によって大規模、中規模、小規模、といったように区分けされます。

大規模事務所といえば、おおよそ、所属弁理士数で20人以上くらい、所員の総数が50名以上くらいからが当てはまるでしょう。

とはいえ明確な基準があるわけではなく、あくまで個々人の認識で「あそこって大手だよね」とか、「ここは中規模だよね」といった感じで話がされるだけにすぎません。

参考までに、日本弁理士会の会員分布状況を紹介します。

この会員分布状況によれば、特許事務所(特許業務法人を含む)の総数は5,156です。そのうち、弁理士数が1人のいわゆる1人事務所が3,662件と全体の71.0%も占めます。

そして弁理士数が20名以上ともなる事務所は非常に少ないことが分かります。

大規模特許事務所の特徴

大規模特許事務所は、ほとんどといってよいほど「特許業務法人」という形態をとっています。

「特許業務法人」とは弁理士法で定められた「法人」組織で、平成12年(2000年)に設けられました。特許業務法人は永続性を担保するため、個人事務所より厳しい規定を満たすことが求められています。

内部組織がしっかりしており、分業化が進んでいる

特許業務法人の場合、所属弁理士数は複数名(2名以上)必要です。永続性を担保するためですね。

内部組織について、明確な規定があるわけではありませんが、しっかりと構築されている場合が多いです。

これは規模の大きい事務所ほど、多くの依頼に対応するため分業化を推し進め、効率化を図っていることが影響しています。分業制にしているので必然的に内部組織も整備され、専門部門や専門部署が置かれている場合が多いのです。

具体的には特許部門、意匠部門、商標部門、というように、法域ごとに専門部門が置かれます。

さらに特許部門の中でも、技術分野に応じて機械部門、電気・電子部門、化学部門、などといったようにさらに細分化されたりします。

担当する仕事内容は事務所により大きく変わる

大規模特許事務所もたいていは、出願業務がメインの仕事となります。そして大規模特許事務所には、出願依頼の他、交渉案件や係争案件など様々な依頼が舞い込みます

その点では、小規模・中規模事務所よりいろいろな業務に携われるチャンスがあると言えるかもしれません。

ただし、逆の面もあったりします。どういうことかといいますと、小規模・中規模と違って、大規模事務所は分業化が進んでいる場合も多く、仕事内容が特定の業務に偏る傾向もあるのです。

例えば弁理士ごとに、特許だけを専門に扱う、商標だけを専門に扱う、といったことがほとんどでしょう。その中でもさらに出願業務だけ、といった場合もあります。

そうすると、事務所としては交渉案件や係争案件の依頼を受けているとしても、弁理士によっては、そういった案件には携わらないケースも出てきます。

つまり、事務所としては様々な種類の仕事を受任しているのに、個人としては特定の業務しか担当しない、ということもあり得るのです。このような点は理解しておく必要があります。

人材育成はしっかりしているのか

人数規模が大きいメリットを生かして、以下のような仕組みを取り入れている事務所もあります。

  • 育成をメインに担当する弁理士が設定されている
  • 育成プログラムがしっかりと構築されている

ただ、大手だからといって人材育成が優れている、と一概にはいえません。小規模、中規模事務所でも、人材育成に力を入れているところは多くありますし、大規模事務所でも、即戦力重視で採用をしている事務所もあります。

事務所によって大きく異なるため、就職や転職を検討している場合は、人材育成のシステムについて事前にしっかりと確認しておきましょう。

大手の事務所のほうが働きやすい?

やはり大規模の事務所のほうが働きやすいのでしょうか。

福利厚生

福利厚生面は、小規模、中規模事務所と比較すれば充実している印象です。

また福利厚生面の充実度は、採用にも影響します。

大手特許事務所のホームページを見ると、福利厚生面のフォローが手厚いことをアピールしている事務所も少なくありません。

祝・休日

特許事務所によって、休日の設定は様々です。

  • メインの大手クライアントの就業カレンダーに合わせて祝・休日が設定される
  • クライアントを多数抱えているので特定の顧客に休みを合わせる必要もなく、独自に設定している

祝・休日のとりやすさについてですが、実情から言えば、事務員や管理・マネージャークラス以下の弁理士は、比較的休みをとりやすいです。逆に管理職・マネージャークラスの弁理士、経営ポストなど重要ポストにある弁理士は、休みの区別なく仕事に当たっていることも多いです。

どの業界でも同じかもしれませんね。大規模特許事務所だから、と何か特別なことがあるわけでもないようです。

人間関係

所属する従業員数が絶対的に多い分、やはりいろいろな人材がいるので、人間関係で大変な面はあります。

小規模、中規模事務所ですと全員の顔も性格も分かりますし、ある意味家族経営的な雰囲気があると思います。

一方、大規模事務所の場合、所員全員を深く知ることはどうしても難しい面があります。また部署ごとに責任を担っていますので、部署間のやりとりにも気を遣ったりするのが正直なところです。

こういった点は、大手の一般企業などと似ているのではないでしょうか。

【よくある悩み1】大手の事務所への転職はありか

正直なところ、組織内で上手に振る舞うことが苦手な方、世渡り下手な方は合わないかもしれません。そのような方は、小規模、中規模事務所のほうがのびのびと活躍できることでしょう。

組織の枠組みの中で成果を出すことが得意な方、好きな方は、大手特許事務所に向いているでしょう。また、あらゆる業務にチャレンジして仕事の幅を広げたい!という熱意、強い意志がある方も、大手特許事務所は向いていると言えます。

業務の幅は広がるか?

先に触れたとおり、大手特許事務所には様々な依頼が舞い込みます。チャレンジ精神を持って積極果敢に取り組むことで、任せてもらえる範囲も広がっていきますので、業務の幅も広がるでしょう。

やりがいは?

様々な業務にチャレンジできる状況になれば、やりがいも大きくなっていくでしょう。

逆に分業化によって業務内容が単調になってしまうと、やりがいを感じにくくなるかもしれません。やりがいを感じるには、やはり、いろいろな業務にチャレンジしていくことが重要です。

【よくある悩み2】大手と中小、転職するならどちらが良い?

転職をする際、直面しがちなのが「大手と中小、どちらがいいか問題」でしょう。

これは難しい問題なので、まずは自分のキャリアプランを描いてみましょう。

出願業務だけではなく、交渉案件、係争案件、外国案件など、いろいろな業務にチャレンジして成長したいが、現状の事務所ではそのような依頼がない。こんな場合には、やはり、その分野の依頼が多い大手特許事務所への転職は選択肢の一つと言えます。

一方、小規模、中規模事務所のほうが、クライアントを身近に感じられることが多いです。

クライアントを身近に感じながら、クライアントの直の声を聴きながら、クライアントにより寄り添った仕事がしたい、という弁理士もいます。

そのような方は、大手特許事務所よりも、小規模、中規模特許事務所のほうが向いていると言えます。

まとめ

今回は大規模特許事務所について触れてみました。大規模特許事務所は、就職、転職に魅力的であることは間違いありません。

一方、小規模、中規模特許事務所にも良いところはたくさんあります。

自身のキャリアプランと照らし合わせて特許事務所を選ぶことが重要です。

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