ビジネス著作権検定とは?専門家が徹底解説!
ビジネス著作権検定とはどういう試験なのでしょう。著作権というのは聞いたことがあるけど、、、
知ってないと怖い?
仕事に役立つの?
いろんな疑問があると思います。
この記事では、そもそも著作権とはという所から、本検定の概要、出題範囲、勉強法、メリットなど専門家が分かりやすく紹介します。
そもそも著作権とは?
著作権は、「著作物」を保護するための権利です。「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいいます。小説、音楽、絵画、地図、アニメ、漫画、映画、写真等は、「著作物」に該当し、著作権にて保護されます。
ビジネス著作権検定とは?
ビジネス著作権検定は「著作権検定委員会」が主催する、日本で唯一の著作権を専門とした資格認定試験です。
著作権に関わる過去の判例などを用いて問題が作られており、とても実践的な問題が出題されます。
著作権に関わる人にとって、実務にも直結するような検定になっています。
認定試験は難易度別で下記のように分かれています。
- BASIC
- 初級
- 中級
会場、日程
ビジネス著作権検定は、2月、6月、11月、の年3回実施されています。2021年度より、「リモートWebテスト」での提供となっており、試験はリモートで実施されています。
受験には、個人で受験する場合、申請して承認された企業・学校等の団体にて受験する場合、の2通りがあります。
試験会場は、受験者の自宅など、又は、団体が指定する会場、となります。
受験には、カメラ機能付PCに加えて、同じくカメラ機能付のスマートホンなどのネットワークデバイス、の2台のデバイスが必要となる点はご留意ください(詳細については、ビジネス著作権検定のHPをご確認ください)。
とは言え、システムが進化していて、自宅でも受験できるのは大きなメリットですね!
受験資格、受験料
受験資格については、何ら制限はありません。学歴、年齢等に関係なく、誰でも受験可能です。
受験料については、受験レベルに応じて、
- Basic:4,200円
- 初級:5,100円
- 上級:8,000円
となっています(いずれも税込み、2022年2月現在)。
どんな人におすすめの資格?
ビジネス著作権検定は、知的財産権と言われるもののうち、特に、著作権についての知識・理解を問う試験です。
著作権の知識は、著作権を扱う企業法務担当者、知財担当者などはもちろん、クリエイターや、クリエイターをマネジメントするマネジメント担当者などに必須の知識となります。
このため、そのような分野で活躍したいという人財には非常にメリットのある検定となります。
もちろん、個人でも知っておいて決して損はない知識です。もはや一般常識といっても過言ではありません。個人での取得もおすすめです。
資格取得のメリットは?
資格取得には時間も費用もかかります。
ですので、資格取得のメリットは気になるところですね。
ビジネス、転職に役立つ!
ビジネス著作権検定は、転職に役に立つというのがメリットの一つです。
というのも、弁護士や弁理士など、専門家においても、「著作権についてはよく知らない、扱ったことがない」という人が多いのが残念ながら実情です。
一方、著作権は、とても身近な一般的な権利です。
そして、そのような権利であるが故に、これも著作権になるの?これは権利侵害になるの?といったところで解釈が分かれる難しい分野であるという一面もあります。
著作権についての理解が深い人財は、これからの社会において必須に求められる人材です。
ビジネス著作権検定は知識の証明にもなるので、転職において有利に働くことでしょう。
実際のところ、難易度は?
気になる難易度や資格取得までの必要な目安の勉強時間ですが、以下に分かりやすく紹介します。
BASIC(ベーシック)・初級・上級の3段階
上記でも記載したように、ビジネス著作権検定は受験態様、レベルに応じて、BASIC(ベーシック)・初級・上級の3段階に分かれています。
BASIC(ベーシック)
著作権制度の初歩的・入門的な知識を問う試験となります。日常生活において著作物を扱う際、トラブルを起こさないために知っておきたいごく一般的な知識が問われます。
初級
他人の著作権を侵害せず正しく著作物を利用できる、というレベルを問う試験です。著作物とは何か、著作権とはどのような権利か、という理解が問われます。
上級
著作権に関する実務を展開することができるかどうかが問われる試験です。専門家(弁護士、弁理士等)の助力を得ながら、著作権に関する知識を活用し、著作権に関する問題点を発見し、解決できるかどうか、が一定の高いレベルで問われます。
試験範囲と出題形式
出題形式ですが、いずれのレベルも、全て多肢選択式(マークシート)にて行われます。
試験時間、題数は、レベルに応じて、次の通りとなります。
- BASIC(ベーシック):50分25問(1問あたり2分)
- 初級:60分30問(1問あたり2分)
- 上級:90分40問(1問あたり2分15秒)
いかがでしょうか?1問あたりおおよそ2分程度。クリアできそうではないでしょうか。
求められる知識
改めて、求められる知識について整理します(公式HPより抜粋)。
BASIC(ベーシック)
日常生活において必要とされる、著作権に関する基礎的な知識について、○×式、多肢選択式問題として出題。
初級:60分30問(1問あたり2分)
ビジネス実務、日常生活において必要とされる、(1)著作権に関する基礎的な知識、(2)著作権法および関連する法令に関する基礎的知識、(3)インターネットに関連する著作権および情報モラルについての基礎的知識について多肢選択式問題として出題。
上級:90分40問(1問あたり2分15秒)
ビジネス実務、日常生活において必要とされる、
(1)著作権に関する基礎的な知識
(2)著作権法および関連する法令に関する基礎的知識
(3)インターネットに関連する著作権および情報モラルについての基礎的知識、および応用力について多肢選択式問題として出題。
なお、この応用力については、事例での問題点発見と解決能力について問う内容となる。
合格ライン
合格ライン(合格基準)については、次のとおりです。
- BASIC(ベーシック):得点率65%以上
- 初級:得点率65%以上
- 上級:得点率70%以上
2021年3月現在、受験累計者数は約75,000人、合格率は72.6%となっています。
10人のうち7人は問題なく合格できているということですね。
合格までの目安の勉強時間は?
気になる、合格までの目安の勉強時間について専門家目線での見解を紹介します。もちろん、個々人の知識や経験によって変動しますので、あくまで参考情報としてご理解ください。
BASIC(ベーシック):10~15時間
深い理解は問われません。一般的な知識、一般的な常識でもある程度回答可能です。そうは言いましても、本・書籍を通読したり、過去問を解いてみたり、といった必要最低限の対策は必要です。
初級:15~20時間
BASIC(ベーシック)の知識に加えて、著作権法の理解が一定程度問われます。法文集や専門書などの読み込みも必要となるでしょう。
上級:45~50時間
一般的な知識や法律の知識に加えて、実務上の知識が問われます。判例の知識・理解や、実務を遂行するうえでの課題、解決手法、などについても触れておく必要があるでしょう。
どうでしょうか。上級でも、50時間は勉強すれば十分に合格レベルに達することができます。1日1時間の勉強でも、2か月弱で目標到達です。
過去問を知りたい!
実際、どんな問題が出されるの?ということは気になる点です。
まず過去問は「みんなの著検」というサイトにて紹介されています。
そして教材については、各社が公式問題集を出版しています。レベルに応じて各種問題集がありますので、受験のレベルに応じて選択ください。
まとめ
ここまで、ビジネス著作権検定の詳細について記載してきましたが、如何でしょうか。
ビジネス著作権検定の合格の有効期限については、特に制限はありません。その点でも、キャリア上有益な資格と言えるでしょう。また、高度な国家資格やその他民間資格と比較しても、比較的短時間で取得できる資格となっており、コストパフォーマンスの点で秀逸な資格と言えるかもしれませんね。
今回の記事がぜひとも参考になれば幸いです。
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エンジニア出身です。某一部上場企業にて半導体製造装置の設計開発業務に数年携わり、その後、特許業界に転職しました。
知財の実務経験は15年以上です。特許、実用新案、意匠、商標、に加えて、不正競争防止法、著作権法、など幅広く携わっています。
諸外国の実務、外国法にも長けています。