知財部の面接を徹底攻略!よくある質問の回答・対策
テーマ別!企業知財部の面接で聞かれる質問
就職・転職活動において面接は必ず通るステップです。
企業知財部の面接において、聞かれる質問は他の職種と同じ内容もあれば、知財ならではの内容もあります。
本記事では、必ず聞かれるであろう志望動機をはじめとした、企業知財部の面接での質問とその対策方法をまとめました。
志望動機・自己分析・キャリアプランなど、テーマごとに質問の回答方法をご提案していますので、参考にしてみてください。
就活・転職の軸を整理しよう【志望動機】
志望動機は、あらゆる職種・役職の面接において聞かれるでしょう。
就職・転職の軸である志望動機がはっきりしていなければ、他の質問の回答が明確でも、採用される可能性が低くなります。
自身の志望動機は、以下の点に注目して整理しましょう。
- 転職理由・現職の退職理由
- 知財部・企業・業界の選択理由
- 仕事において自身が譲れないこと
転職理由・現職の退職理由は?
職場の変更を考える際、現職になんらかの不満・不足があり、その不満を解消したいと考えているはずです。
- 業務内容
- 残業・ライフワークバランス
- 人間関係
- 年収
- 勤務地 など
まずは、自身が転職先に何を求めているかを書き出してみましょう。その中で重要視している点が、自身の強い志望動機のはずです。
そして、その理由をポジティブな表現に変換しましょう。
例えば現職の業務内容への不満が、転職の最大の理由であるとします。
面接にて「現職は雑務が多く、やりがいがなかった」と伝えるよりも「現職で身につけた基礎知識を活かし、〇〇業界をリードしている貴社にてさらなる経験を積みたい」と伝えるほうが面接官からの心証がよくなります。
知財部・企業・業界を選んだ理由は?
専門性が高い仕事を担う、企業知財部を選んだ理由を面接官に伝えられるように準備しましょう。
そのために、
- 知財部の業務内容
- 企業が注力している領域
- 企業の業界における立ち位置
- 企業の過去の特許出願
などを調べ、これらを関連付けて回答するのが望ましいです。
1は転職サイト・エージェント、2と3は各企業のHP、4は特許情報プラットフォームであるJ-PlatPatなどで情報収集できます。
収集した情報をもとにした志望動機例をご紹介します。
例1:特許事務所勤務
私はこれまで、〇〇分野の特許出願を担当してきました。現職の経験を活かし、〇〇分野における出願件数が他社に比べ多い貴社にて、さらなる実績を積むことを希望します。
例2:研究職
私はこれまで〇〇に関する研究に携わりました。業務の中で第三者の特許出願が問題とならないか検討をした際、何度も貴社の出願がテーマとなっていました。△△業界をリードする貴社にて、研究職で身につけたデータの分析・発明のタネを発掘する力を活かすことを希望します。
仕事をするうえで大切にしていることは?
就職後、自身がどのように働けるかを企業側に理解してもらうためにも、働くときに重視していることを整理しておきましょう。
専門的な知識や資質を備えているかはもちろん大切ですが、企業という多くの人が連携して働く環境にマッチする人材かも、面接官は評価しています。
- チームワーク
- コミュニケーション能力
- ストレス耐性
などを備えているかが分かるようにアピールするとよいかもしれません。
例えば、以下のようなアピールができます。
私が仕事において欠かせないと考えている点は、周りの人との細かい連携です。役職・部署の異なる視点・目的を理解しなければ、企業として目標を達成することが難しくなります。私は貴社の知財部においても、研究開発職や経営企画職といった部署とこまめに連絡を取りながら、特許出願業務に携わることを希望します。
自身のバックグラウンドを整理しよう【自己分析】
自己分析は、志望動機やキャリアプランを考える際の基盤作りに不可欠です。
また、自身のバックグラウンドについて直接面接で聞かれることがあります。
- 長所・短所
- 大学での研究分野・現職の業務内容
- 成功・挫折経験
などをまとめておきましょう。
自身の長所・短所は?
面接では、長所・短所を聞かれることがあります。
- 自身が思う長所・短所
- 他人から見た長所・短所
の両方を確認しておくことをおすすめします。
あわせて、
- 長所を活かしたエピソード
- 短所を克服した、もしくはカバーしながら何かを達成したエピソード
を準備しておくと面接で深堀りをされた際にも安心です。
大学での研究分野・現職の業務内容は?
大学での研究分野、あるいは現職の業務と転職先の業務の相違点は、履歴書・面接を通して確認されます。
ポイントとなるのは、自身の経験をどのように転職先にて活かせるかをアピールするかです。
未経験者に比べ、知財業界経験者が有利なのは間違いありません。
とはいえ知財に関する仕事には、様々な知識・スキルが必要とされますので、全てを兼ね備えている必要はないです。
- 特許事務所で特許出願業務に携わっていた
- 大学の研究分野が、転職先の注力している領域と同じ
- 研究職の業務を通し、特許出願の基となるデータに見慣れている
など、アピールする方法はいくつもあります。
これまでの成功・挫折経験は?
成功・挫折経験も面接にてよく聞かれる質問です。
面接の前に企業に提出する職務経歴書には、実績が記載されています。
その実績を上げるためにどのような成功と挫折の過程を経たのかを整理しておきましょう。
転職先でこれまで以上の実績を上げられるかどうかは、プロセスの話から判断されます。
自身が無意識のうちに行っているプロセスが、他人から見たら魅力的である場合も少なくないため、職場の上司・同僚からの意見も参考にするとよいでしょう。
知財業界の周辺情報を整理しよう【基礎知識】
知財に関する仕事は専門性が高いため、職種自体の理解がより必要とされます。
そのため
- 知財部の必要性・業務内容
- 仕事において必要なスキル・資格
- 業界のトレンド
などを理解しておくとよいでしょう。
これらに対する理解が深まるほど、志望動機やキャリアプランが明確になります。
知財部はなぜ必要?業務内容・量は?
業界に関わらず、どの企業も知的財産権を保有しています。この知財権を扱うのが知財部です。
事業の保護・経営の促進のために知財権は不可欠です。
知財部は
- 特許出願
- 出願した特許の権利化
- 第三者の特許出願の調査
などを行います。
これらの業務量は企業や担当業務により異なります。
そのため、面接時には、自身が望むライフワークバランスと実際の業務量が一致するかを確認しておきましょう。
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知財部に必要なスキル・資格は?
企業の知財部員に求められるスキル・資格のうち
- 弁理士資格
- 語学力
が代表的で、いずれも求人に記載されています。
弁理士資格は転職時に保有していなくても問題ありませんが、キャリアを歩む中で取得する場合も少なくないでしょう。
語学力は、ほとんどの場合英語スキルが求められ、TOEICの点数が指標とされます。
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企業の知財部員に求められるスキルとは?レベル別に解説します!
知財に関するトレンドワードは?
業界のトレンドとなるワードを調べておくと面接時に役に立つことがあります。
- 今後の知財業界にて求められること
- 最近印象に残った知財のニュース・判例
- 〇〇というワードについて考えていること
など、様々な質問の回答時に応用可能です。
近年(2022年7月時点)のネットやセミナーなどで取り上げられているトレンドワードはこちら。
ワードの意味を知るだけでなく、転職先がこれらに対しどのような取り組みをしているか、企業のHPなどを見て確認しておくとより好ましいです。
就職・転職後の自分をイメージしよう【キャリアプラン】
企業は就職志望者が就職後にどのように働き、キャリアを進んでいくのかをイメージしながら面接を行います。
企業側に採用したい、一緒に働きたいと考えてもらうためにも、キャリアプランの検討は面接対策において重要です。
キャリアプランを考える際、
- すでに自身ができること
- できることを活かしながら担当したい業務
- 経験を積んだ後に携わりたい業務
を整理しておくとよいでしょう。
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就職後すぐに対応できる業務は?
すぐに対応できる業務を伝えると、企業側が最初の配属先や担当業務をイメージしやすくなります。
履歴書・職務経歴書に記載した業務を細分化して、転職先で何ができるのかを確認しておきましょう。
これを明確にすることで、転職後に環境も業務内容も全てが前職と異なるといった、慌ただしい状態となるのを避けられます。
知財部で担当したい業務は?
企業の知財部では様々な業務を行っています。
その中で自身が最も何をしたいのか分析し、またそれを転職先で担当させてもらえるかを確認しましょう。
具体的な業務内容は募集要項から読み取りにくいことが少なくないため、以下のような方法で確認するのがおすすめです。
- 転職サイト・エージェントを介した企業への質問
- 面接前に行う、企業と就職志望者が互いを知るためのカジュアル面談
- 選考後の現場メンバーとの面会・職場見学
もしも求人票に詳しい業務内容が載っていれば、面接でやりたい業務についてアピールしても良いでしょう。
今後のキャリアビジョンは?
5・10年後にどのようなキャリアを歩んでいたいのかは、面接にてよく質問される項目の一つです。
- 出願業務といった実務を担当し続けるスペシャリストと、部を取りまとめるマネージャー・管理職のどちらを目指すのか
- 年収はいくらまで上げたいのか
- 国内・外国への転勤が選択肢に含まれるか
などを考えてみるとよいかもしれません。
これらは面接を受けた企業が、自身にとって最適な転職先かの判断基準にもなります。
例えば「年収1,500万円の執行役員」という明確なビジョンがあれば
- 転職後の昇給率
- 知財部から執行役員が選ばれる割合
を転職前に確認でき、今後の必要以上の転職を避けられるでしょう。
まとめ
面接は志望企業と自身の考えをすり合わせられる貴重な機会です。
最大でも1時間程度という短い間に自身の考えを伝えるためには、準備が欠かせません。
企業と考えを明確に共有できた上で採用されれば、就職後の仕事の満足度が高くなります。
企業知財部の転職を検討している人は、ぜひ本記事でご紹介した各テーマについて整理をしてみてはいかがでしょうか。
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知財部門では、主に特許出願・権利化業務を担当してきました。