弁理士試験対策のおすすめ参考書9選+選び方のコツ

弁理士試験に向けて、どの参考書がいいのか、というのはまず最初に悩むことですね。

今回は、弁理士試験対策用のおすすめ参考書について紹介します。

なお本記事では、単におすすめ本を紹介するだけではなく、比較的多くの人が陥りがちな本質的な問題にも触れていきます。参考書選びの参考になれば幸いです。

どれを使うべき?参考書選びは最初の壁

試験勉強をするとき、どの参考書を使うかとても悩むものです。まずは書籍購入前に押さえるべきポイントを解説します。

ただ参考書といっても、その中身は多種多様です。

まさに試験対策用に特化して要点を分かりやすくまとめたようなものや過去問集の類(以下、試験対策用テキストと言います)もあれば、特許庁から出されている解説書、弁理士、学者、研究者等が執筆した専門書など(以下、基本書と言います)もあります。また、試験対策には法文集も必須です。

ここでは、試験対策用テキスト、基本書、法文集、をまとめて「参考書」と言うこととします。

なにを基準に試験対策の本を選べばいい?

参考書と聞けば試験対策用テキストがイメージされるでしょう。

結論からいうと、個人的に最近の試験対策用テキストはどれも良くできていて、配色や見た目の好みはともかく、内容については大差ないと思います。

弁理士試験に合格することが目的であれば、どれを選んでもよっぽどの問題はないでしょう。しっかりやりこめば、十分合格レベルに到達できるはずです。

しかし強調しておきたいのは、「試験合格を目的とするならば」、ということです。多くの人が陥ってしまう穴がここにあります。

弁理士試験合格を目指す人に待っている、試験対策用テキストの穴

試験対策用テキストには圧倒的に欠けているものがあります。なにかというと、法律の立法趣旨、立法背景、などです。なぜこのような条文が制定されたのか、といった理由がありません。

試験にパスするだけなら先のとおり、どの試験対策用テキストでも問題なく、言い換えれば、試験合格には試験対策用テキストだけで十分なことも。実際、筆者のまわりには、試験対策用テキストだけやりこんで合格した人もいます。

しかし立法の趣旨や背景は、実際働きだしたあとに重要になってくるのです。

テキスト選びの本質は「合格後を見据える」

弁理士試験は合格して終わり、ではありません。将来的には実際の仕事が待っています。参考書は、試験にパスすることだけではなく、試験合格後に実務を行うこともしっかりと見据えて選ぶべきなのです。

さきほど話題にした立法趣旨・立法背景というのは、実務をこなす際にとても重要です。

仕事では初めてのこと、解釈が分かれることなど、いろいろな事案に対処しなければいけません。また審判や裁判では相手方が存在し、彼らと争うことになります。

そういったときに法律の立法趣旨・立法背景を知らないと、全く太刀打ちできないんですね。

逆に言えば、法律の立法趣旨・立法背景がしっかり理解できていれば妥当性の高い正解に辿り着けます。相手方と、論理的な思考を持って争うことができます。

おすすめ参考書を紹介するサイトはたくさんありますが、どのサイトでもこのような本質的な問題についてあまり触れられていません。今回の記事を見たあなたはラッキーです。

どこまで必要?試験対策&実務用に買っておくテキストの種類

弁理士試験のために書籍を買うことにしたら、こちらの3種類の本を用意しましょう。

  • 法文集
  • 基本書
  • 試験対策テキスト(短答試験用、論文試験用、口述試験用)

「合格後にも役立つか」という観点もふまえつつ、各種おすすめの参考書を紹介していきます。

注:価格は全て記事公開当時のものです

おすすめ法文集2選

何よりもまずは法文集です。法文集は定番のものが2つあります。この2つを必ず押さえておきましょう。

なお法文集は、法改正のたびに新しいものが出版されます。

試験対策用としては、試験要綱を確認し、試験に対応する年度のものを購入しておけば問題ありません。実務を踏まえるならば、最新のものは必ず購入するようにしましょう。

四法横断法文集(早稲田経営出版)

ページの見開きに、4法(特許、実用新案、意匠、商標)が上下に並んで掲載されている形式の法文集です。4法同士で関連する条文(同趣旨の条文、準用する条文、など)が並んで配置されるようになっていて、共通点や差異が分かりやすく、4法を横断的に理解するのに非常に重宝します。

また、余白がこれでもか、というくらい多くあります。その余白に必要な事項を書き込んだり貼ったりすれば、情報の一元化ができます。

弁理士試験 四法横断法文集 2023年度版(Amazon) \5,500

知的財産権法文集(発明推進協会)

先の四法横断法文集は4法を比較するうえでは非常に便利なのですが、どの条文がどのページに記載されているか、やや分かりにくいのが難点です。

知的財産権法文集法文集は、通常どおり、法ごとに順番に条文が掲載されていますので、目的の条文に早く辿り着けます

令和3年改正 知的財産権法文集 令和4年4月1日施行版(Amazon) \2,750

おすすめ基本書2選

次に重要なのが基本書です。初学者には難解かもしれませんが、知的財産法を深く理解するためには避けては通れません。

工業所有権法(産業財産権法)逐条解説(経済産業省 特許庁)

いわゆる「青本」と呼ばれるものです。条文ごとに詳細な解説が記載されています。立法趣旨、立法背景、改正の経緯・趣旨も盛り込まれています。

試験で難解な問題に当たったとき、条文の立法趣旨、立法背景から正解を導き出せることも少なくありません。

また実務家として活躍したいならば、青本の内容は隅から隅まで理解しておくべきです。青本の内容を理解できていない弁理士は、はっきり言って使えません(笑)

工業所有権法(産業財産権法)逐条解説 第22版(Amazon) \16,413
工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第22版〕 | 経済産業省 特許庁

特許法概説(有斐閣 吉藤幸朔著)

やや古い書籍ですが、こちらも非常に重要な基本書です。条文の解釈、基本判例、などについて、多面的に様々な学説が網羅されています。

試験対策向けとしてはややボリュームが大きいため、辞書的に使うのが効率的で賢いやり方ですが、特に論文試験対策として威力を発揮する書籍です。できる限り目を通しておくことが好ましいです。

実務上でも、非常に重要な情報が網羅されていますので、実務家目線でも必須の書籍です。

特許法概説(第13版)(Amazon) ※記事公開時点では絶版・重版未定。中古品のみ

試験対策用テキスト 短答試験編

弁理士試験 体系別 短答過去問 特許法・実用新案法・意匠法・商標法(東京リーガルマインド)

過去10年分が収録されています。定番の参考書(過去問集)です。解答解説もまずまず充実しています。

2022年版 弁理士試験 体系別 短答過去問 特許法・実用新案法・意匠法・商標法 【過去10年分収録】 (弁理士試験シリーズ)(Amazon) \4,950

弁理士試験 年度別短答式 過去5年問題集(早稲田経営出版)

ある程度勉強が進んでいる人で、過去問は10年分でなくても問題ない、という方にはこちらもおすすめです。

弁理士試験 年度別短答式 過去5年問題集 2022年度 \6,600

試験対策用テキスト 論文試験編

弁理士試験論文マニュアル(早稲田経営出版)

論文試験対策としては、比較的更新されている本書が参考になります。ただし、このマニュアルのみに頼るのではなく、論文の過去問集とセットで勉強するのが有効です。

弁理士試験 論文マニュアル (1) 特許法/実用新案法 第3版(Amazon) \3,850

弁理士試験 論文式試験 過去問題集(早稲田経営出版)

過去問集です。実際の問題形式のため、より効率的に勉強できます。論文試験対策としては、過去問集を柱として、マニュアル等は必要に応じて参照するのがおすすめの勉強法です。

弁理士試験 論文式試験過去問題集 2023年度(Amazon) \7,150

試験対策用テキスト 口述試験編

弁理士試験 口述試験過去問題集(早稲田経営出版)

短答試験対策・論文試験対策がしっかりできていれば、口述試験は過去問集をおさえておけば大丈夫です。本書籍は、直近10年分の口述試験の内容がQ&A形式で再現されており、試験官とのやりとりをリアルにイメージできるように構成されています。

また、最新の法改正に合わせて加筆修正がされています。ほとんどの受験生が使用する定番の過去問集です。

口述試験対策としては、他のマニュアル等は特に不要です。口述試験の過去問集の他には、法文集を良く読みこんでおくことが重要です。

弁理士試験 口述試験過去問題集 2022年(Amazon) \6,600

まとめ

以上、弁理士試験のおすすめ参考書をみてきました。先に触れましたように、実務家として活躍することを見据えると、基本書をしっかりと勉強することが重要です。

試験対策用テキストに関しては、好みや価格などで選んでも問題ないでしょう。予備校で講座を受講する場合には、予備校で用いるものを信じて活用すれば大丈夫です。

参考になれば幸いです。

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