弁理士試験の難易度は?攻略のコツ

結論から言えば、弁理士試験の難易度は、国家資格のなかでもかなり高いものであると言えます。

弁理士試験の難易度について、データもあげながら紹介します。

弁理士試験の難易度は高い

合格のハードルが高いと言われる弁理士試験ですが、どれほど難しいのでしょうか。

参考:令和3年度弁理士試験統計

合格率から見る難易度

令和3年(2021)年の弁理士試験の合格率は6.1%です。

志願者数(※実際の受験者数ではありません)は3,859人、最終合格者数は199人でした。

合格率6.1%というと、100人受験して6人しか受からない計算ですから、非常に狭き門であることがイメージできると思います。

必要な勉強時間から見る難易度

弁理士試験合格に必要な勉強時間は約3,000時間と言われています。

3,000時間というと、1日2時間勉強するとすれば1,500日(約4.1年)、1日4時間勉強するとしても750日(約2年)、かかる計算です。

仕事をしながら受験することを考えると、なかなかハードルは高そうです。

なお難易度が高いと言われる国家資格合格に必要だとされる勉強時間は、以下の通り。

  • 弁理士 3,000時間
  • 弁護士 3,000~8,000時間
  • 公認会計士 4,000時間
  • 司法書士 3,000時間
  • 税理士 3,000時間
  • 土地家屋調査士 1,000〜1,500時間
  • 中小企業診断士 1,000時間
  • 社会保険労務士 800〜1,000時間
  • 行政書士 500〜1,000時間

平均受験回数

令和3年(2021)年の弁理士試験の最終合格者の、平均受験回数は3.7回でした。初回での合格、つまり1発合格者は23人いました。

平均3.7回というと、4年弱も試験を受け続ける計算ですね。マインドやモチベーションを維持するのも大変なことが想像できます。

そこで、短期合格の秘訣についても後で触れたいと思います。

他の国家資格と比べても難しい?

上であげた国家資格別に、合格率を見てみたいと思います。

  • 弁理士 6~10%
  • 弁護士 22~39%
  • 公認会計士 9~11%
  • 司法書士 3~4%
  • 税理士 12~15%
  • 土地家屋調査士 7~9%
  • 中小企業診断士 3~8%
  • 社会保険労務士 4~6%
  • 行政書士 8~15%

合格率だけで見れば、弁理士試験よりも低いものもありますね。ただ、弁理士試験の最終合格者の総数は他の試験と比較して相対的に少なく、やはり「狭き門」であるイメージが高いです。

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試験の免除制度がある

弁理士試験には試験の免除制度があります。短期合格を狙うなら、免除制度をうまく活用したいところです。

一次試験(短答試験)の免除

一次試験(マークシート式の短答試験)に合格した場合、合格の日から2年間、同試験が免除されます。一度合格すれば、次の2年度分(試験2回分)は受験しなくてもよくなるわけです。3年度以降は、再受験が必要になります。

二次試験(論文試験)の免除

二次試験には、必須科目と選択科目とがあります。必須科目については一次試験と同様で、合格すると合格の日から2年間、同試験が免除されます。

選択科目は一度合格すれば、永続的に免除されます。

めざせ一発合格!短期合格の秘訣

ここでは、短期合格の秘訣についてポイントを紹介します。正しく効率的な勉強を行えば、1発合格も決して難しいことではありません。

試験の全体像を把握する

まずは慌てず騒がず、 受験範囲、受験科目の全体構造を眺めて把握することです。具体的には、知的財産法全体の枠組み・法律の構造を押さえます

どういうことか、具体例とともに見ていきましょう。

知的財産法とは特許法、実用新案法、意匠法、商標法などの総称。特許法といった法律は、法体系の枠組みでは「特別法」と言われます。

対して憲法、民法などは一般法と呼ばれています。

特許法は、民法などの一般法における特別法であり、特別法は一般法より適用される優先度が高いです(特別法優先の原則)。

上位の法律から、憲法>民法・民事訴訟法>知的財産法>特許法、といった感じになりますが、例えば憲法は財産権の細部までを規定しているわけではありません。

特別な事象についてより具体的に規定したのが特別法で、そのため特別法が一般法に優先して適用されるわけです。

このように、法律構造全体をしっかり理解することで、個別の条文の位置付けや意義が理解しやすくなります。

条文の趣旨(成立背景)を理解する

条文には必ず成立背景があります。このような規定を設けないと何かしら不都合や困ることがあった、だから条文が規定された、といった事情があるのです。

条文の成立背景を理解することで条文を覚えやすくなりますし、見たこと、聞いたことのない事案や問題にあたった場合でも、条文の成立背景に立ち返ることで回答に辿りつけることも少なくありません。

過去問を最低3回まわす

試験対策としては、やはりなんといっても過去問をこなすことです。

過去問で問われていることは、専門家として理解しておかないといけない重要なポイントです。

過去問は少なくとも過去3年分、できれば4~5年分は解いておきたいところです。

なお弁理士試験の過去問は、問題集が多く出されていますので、上手に活用してください。

一度解いて、正答となる理由も含めて説明・回答ができた問題については、再度解く必要はありません。間違えたところ、説明ができないところを中心に、説明ができるようになるまで何度も回しましょう

少なくとも3回はまわし、理解が浅いところは、3回と言わず何度でも解き直しましょう。

最後までやり抜く秘訣

弁理士試験合格までは平均して数年と、なかなかに長い道のりです。最終合格までやり抜く秘訣について紹介します。

環境に頼る

環境というのはとても大事です。例えば最近では、テレワークも当たり前になっていますが、自宅で仕事をするのと、出勤して仕事をするのとで、同じようにこなせるでしょうか。(同じようにこなせるのであれば問題ありませんが)

勉強も同じで、やはり、勉強に適した環境で勉強する、ということは重要です。勉強に特化した環境だとより集中して勉強できるものです。

その点では、受験機関の教室などを活用すると良いでしょう。

周りは受験生だけ、皆、試験合格に向けて勉強している、という環境であれば、逆になまけてしまうことのほうが難しくなります。

勉強仲間を作る

1人で勉強することは孤独で、モチベーション維持も難しくなります。勉強のペースもつかみづらくなってしまいます。

そこで勉強仲間がいれば、きっと、勉強のペースメーカーになってくれます。

また勉強仲間との比較で、自身の現在のレベルも分かります。

さらに、勉強仲間と議論することで理解も深まるでしょう。やはり、アウトプットすることは何にも増して重要です。アウトプットすることで頭に定着します。

ぜひ、勉強仲間を見つけてください。

完璧を求めすぎない

勉強の計画が完璧に進むことは素晴らしいことですが、人間、100%完璧にこなすことは難しいですね。

多少計画通りに進まなくても、卑下せず、リラックスして考えましょう。

「計画の8割も達成できれば全然十分!」くらいの考え方のほうがうまく進みます。

まとめ

弁理士試験の難易度について見てきました。

弁理士試験は、合格率も低く、最終合格者数も相対的に少ない試験であり、難易度が高い試験の一つです。

ただし、かといって合格できない試験では決してなく、短期合格も十分可能な試験です。