理系学生・理系出身者必見!おすすめの資格13選
理系の資格を取得する目的
理系の資格を取得する主な目的としては、次の3つが挙げられます。
- 資格がないと仕事ができない
- 就職先で求められている
- キャリアアップにつながる
「資格がないと仕事をすることができない」の例としては、医師、薬剤師、建築士、弁護士、弁理士などがあります。
「資格の取得を就職先で求められている」ものとしては、求人サイトでよくあるTOEIC△△点以上、というものがあります。
「キャリアアップにつながる」例としては、技術士が弁理士を取得するなど、関連する異業種での資格取得があります。
資格は新卒就活時に必須の要素ではない
資格は新卒での就活において、アピールする武器の一つにはなります。
しかし採用担当者が採用で見ている箇所は、質問に対する受け答えや、履歴書の書き方、企業研究をしているか、など多岐に渡っており、資格の有無も、これらのうちの一つにすぎません。
もちろん資格と企業との関連性や、仕事において興味を持っていることと資格との関連性などを就活時に説明することができれば、就活をより有利に進めることができると思われます。
資格・学歴がどの程度就職に影響するかは、こちらの記事で解説しています。
理系の資格一覧
理系の資格は、理系全般、化学系、機械系、電気系、IT系、法律系の分野でそれぞれ異なります。それぞれの資格ごとに、資格の概要、受験資格、取得に必要な勉強時間について、説明します。
- 技術士
- 危険物取扱者
- 高圧ガス製造保安責任者
- 毒劇物取扱責任者
- CAD利用技術者試験
- 機械設計技術者試験
- 電気主任技術者
- 電気工事士
- ITパスポート
- 情報セキュリティマネジメント
- 基本情報処理技術者
- 知的財産管理技能士
- 弁理士
理系全般
理系全般の資格としては、技術士があります。
技術士
技術士とは、国によって科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者で、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある国家資格です。
技術士は、業務独占資格ではないため、資格がないと仕事ができない、ということはありません。そのため開発部門において、技術士の取得を求めていない会社は多いです。
ただし建築分野においては、技術士が勤務していることで公共事業の入札が有利になったり、大きな工事を請け負う際に必要となる監理技術者に技術士を使用できたりするため、会社で技術士の取得を推奨しているケースが多いです。
また技術コンサルタントとして働く場合には、技術士を取得することで業務の信用度アップにつながることがあります。
技術士の受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。
技術士の資格は、第一次試験と第二次試験に合格することにより取得できます。第一次試験の試験科目は基礎科目、適正科目、専門科目です。また第二次試験の専門科目では、筆記と口述の試験があります。
化学系
化学系の資格として、危険物取扱者、高圧ガス製造保安責任者、毒劇物取扱責任者を紹介します。これらの資格は、いずれも国家資格です。
危険物取扱者
危険物取扱者とは、消防法で定められた危険物(ガソリンなど)を取り扱ったり、危険物の取り扱いに立ち会ったりするために必要な資格です。危険物取扱者には「甲種」「乙種」「丙種」の3種類があります。甲種、乙種、丙種のいずれも、業務独占資格であるため、以下の業務については、資格がなければ業務をすることができません。
「甲種」は、消防法に定められている第1類~第6類までの全ての危険物の取り扱いや定期点検、保安の監督ができます。
「乙種」は第1類~第6類までの危険物のうち、個別に資格を取得したものに限って扱うことができます。
「丙種」はガソリン・灯油・軽油・重油など、特定の危険物のみ扱えます。
危険物取扱者は業務独占資格であるため、化学工場、石油プラント、薬品会社、ガソリンスタンド、タンクローリーを扱う運送業等の業種で、特に重宝されています。そのため、これらの業種の会社では、危険物取扱者の取得を推奨しているところが多いです
また受験資格ですが、乙種と丙種には制限はありません。一方で甲種受験には、大学や高専等を化学専攻で卒業しているか、乙種危険物取扱者免状を有している必要があります。試験は1回で、化学に関連する事項が問われます。
高圧ガス製造保安責任者
高圧ガス製造保安責任者は、高圧ガス災害を防止するために、高圧ガスの製造業務をするときに必要となる資格です。そのため高圧ガスの製造会社や、コンビナート、化学工場では、この資格の取得を推奨しているところが多いです。
高圧ガス製造保安責任者は誰でも受験ができる資格です。また試験は1回で、法令、保安管理技術、学識について問われます。
毒劇物取扱責任者
毒物劇物取扱責任者は、毒物や劇物を取り扱う企業内で、従業員や周辺の人々の健康が損なわれることがないように管理を行う人のことです。
毒物の例としては、青酸カリ、水銀、青酸ソーダ、ヒ素などがあります。また劇物としては、硫酸・塩酸・アンモニア等があります。
この資格は、毒物や劇物に該当する薬品を取り扱う仕事で活かせます。そのため、毒物劇物を製造する工場や毒物劇物を運搬する会社などで、この資格の取得を推奨していることが多いです。
年齢、学歴に制限されず受験できますが、18歳未満の者は合格しても資格を取得することができません。試験では法規と毒物・劇物に関する事項が問われます。試験は1回で、筆記試験と実地試験がありますが、実地試験もマークシートで行います。
機械系
機械系の資格として、CAD利用技術者試験と、機械設計技術者試験を紹介します。これらの資格は、いずれも民間資格です。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、CADに関する知識やスキルを明確化して評価するための試験です。CADとは、設計図をコンピューターを用いて作図できるようにしたシステム・ソフトをいいます。したがって、CAD利用技術者試験は、これら設計図作成におけるシステムやソフトに関する試験です。
CAD利用技術者試験は、これからCADを用いて仕事をする方がスキルを身に着けるために取得する、という意味合いが強いです。そのため、既にCADを使用している技術者に対して、会社がこの資格の取得を求めることはほとんどありません。
CAD利用技術者試験の受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。また、CAD利用技術者試験には、3次元CAD利用技術者試験(2級、準1級、1級)と、2次元CAD利用技術者試験(基礎、2級、1級)があります。
機械設計技術者試験
機械設計技術者試験は、機械設計技術者の能力を正確に評価し、設計技術者の能力や社会的な地位の向上を図る試験です。
機械設計技術者試験は、これから機械設計をする方が勉強するための資格である、という意味合いが大きいですが、機械設計についての一般的な評価を可能とする資格でもあります。ただし、既に機械設計をしている技術者に対して、会社がこの資格の取得を求めることはほとんどありません。
機械設計技術者試験も、年齢・学歴に関係なく受験ができます。またこの試験には1級、2級、3級があり、2級、3級では、機械に関する事項が問われます。1級では機械の他に、環境経営に関する事項も問われます。
電気系
電気系の資格として、電気主任技術者と、電気工事士を紹介します。これらの資格は、いずれも国家資格です。
電気主任技術者
電気主任技術者は事業用電気工作物の工事や、維持・運用の保安監督をする者であり、取り扱いできる事業用電気工作物の電圧によって、第一種・第二種・第三種に分類されます。
種別 保安管理できるものの例
- 第三種電気主任技術者(電験三種)…工場やビル、小規模な再生可能エネルギーによる発電設備など、電圧5万ボルト未満の工事。ただし出力5000キロワット以上の発電所は除く。
- 第二種電気主任技術者(電験二種)…中規模の再生可能エネルギーによる発電設備や大規模な工場など、電圧17万ボルト未満の工事や維持・運用。
- ·第一種電気主任技術者(電験一種)…大規模なものから小規模なものまで幅広く、事業用電気工作物の工事で保安監督業務が一任。扱える電圧に上限はない。
つまり電気主任技術者の資格は、電気工事を扱う会社で活かすことができます。実際、電気工事を扱う会社では、この資格の取得を推奨していることが多いです。
受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。また、この試験では、専門分野と法規について問われます。
電気工事士
電気工事士は、電気設備の工事・取扱の際に必要な資格です。
第一種と第二種に分類されており、第二種が扱える範囲は「一般住宅」「小規模な店舗・事業所等」「家庭用太陽発電設備」など600V以下で受電する設備です。また、第一種は第二種の範囲に加え、最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどを扱うことができます。
電気工事士は比較的簡単な資格であるため、これから電気工事の勉強をする方向けの資格である、という意味合いが大きいです。既に、電気工事をしている社員に対して、会社がこの資格の取得を求めることは少ないと思われます。
受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。また、電気工事士の試験では、専門分野について問われます。
IT系
IT系の資格として、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報処理技術者を紹介します。これらの資格は、いずれも国家資格です。
ITパスポート
ITパスポートとは「情報処理技術者試験」のうち最も簡単なエントリーレベルの資格です。従って、ITパスポートは、これからソフトウェア分野で仕事をする方のための資格であるという意味合いが大きいです。また、既にソフトウェア関係の仕事をしている技術者に対して、会社がこの資格の取得を求めることはほとんどありません。
受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。また、ITパスポートの試験は、ソフトウェアに関連する事項について広く問われます。
情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメントとは、情報セキュリティと管理(=マネジメント)を足し合わせた造語であり、企業や組織が持つ情報の安全を守るために、さまざまな運用および管理を行うことをいいます。
情報セキュリティマネジメントも、ITパスポートと同様に、これからソフトウェア分野で仕事をする方のための資格であるという意味合いが大きいです。この試験は、ITパスポート試験の上位試験という位置づけになります。しかし、既にソフトウェア関係の仕事をしている技術者に対して、会社がこの資格の取得を求めることはほとんどありません。
受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。また、情報セキュリティマネジメントの試験でも、ITパスポートと同様に、ソフトウェアに関連する事項が広く問われます。
基本情報処理技術者
基本情報技術者は、「アドバイスをもらいながら担当業務ができる」というレベルを担保した者をいいます。したがってこの資格は、IT分野における入門編の資格です。ITパスポートをとった次のステップとして取得を目指すとよいでしょう。
基本情報技術者は、特定の会社の技術に偏らないITのスキルアップという意味合いがあります。そして、基本情報技術者については、既にソフトウェア関係の仕事をしている技術者に対しても、会社が資格の取得を求めることはあります。
受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。基本情報技術者の試験でも、ITパスポートや情報セキュリティマネジメントと同様に、ソフトウェアに関連する事項が広く問われます。
法律系
理系における法律系の資格としては、知的財産権に関する資格があります。今回は、知的財産管理技能士と弁理士について紹介します。これらの資格は、いずれも国家資格です。
知的財産管理技能士
知的財産管理技能士とは、知的財産を管理する技能の習得レベルを評価された者であり、1級、2級、3級とあります。また1級は、特許専門業務、コンテンツ専門業務、ブランド専門業務に分かれています。
知的財産管理技能士は、1級、2級であれば、企業の知的財産部への就職においてプラスに働く会社もあります。その一方で、特許事務所への就職では、この資格によって就職が有利に働くことはあまりありません。また、企業の知的財産部であれば、この資格の取得を求めてくることもあります。
受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。また、試験科目としては、知的財産法に関して広く問われます。
弁理士
弁理士とは、知的財産における専門家であり、知的財産権の出願における代理を行えます。すなわち、特許事務所を運営するためには、弁理士の資格を有していることが必須となります。
そのため、弁理士の資格を有していることは、特許事務所へ就職する際に大きなアドバンテージとなります。また、企業の知的財産部への就職に際しても、弁理士の資格は、有利に働きます。
受験資格に、年齢、学歴の制限はありません。また、試験は、1次試験(マークシート)、2次試験(論文)、3次試験(口述)とあり、科目としては、知的財産法全般が問われます。また、2次試験では、選択科目として法律や技術も問われます。
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