エンジニアから弁理士になるには?転職も試験も成功させるポイント

エンジニアが転職する際の選択肢としてあがる職業のひとつが、弁理士です。

今回は開発職から特許事務所へ転職した経験のある弁理士が、エンジニアから知財業界への転職にまつわる疑問に答えます。

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エンジニアから弁理士へ転向する理由

エンジニアから弁理士へ転向する理由としては、いくつかありますが、エンジニアとして仕事をする過程で、何らかの縁やタイミングがあって、弁理士に転向することが多いです。

その主な理由としては以下のようなものがあります。

  • 働いていた部署が統廃合され、今までの技術を仕事で生かせなくなった
  • 今の会社で使っている技術が特殊で、他の会社で使うことが難しい
  • 自分のスキルについて、他人との差別化を図りたい

エンジニアの転職先に、弁理士がおすすめのワケ

エンジニアとしての業務から業種を変えて転職する際には、弁理士は有力な候補となります。その理由として、以下のことが挙げられます。

  • 特許業務をする際に、エンジニアとしての知識が武器になる
  • 特許業務をしている弁理士の多くがエンジニア出身であるため、転職に関する情報収集が容易
  • 弁理士は難易度の高い国家資格であり、専門性が高いため、取得することでスキルアップを図れる

特許を担当する弁理士の多くは、エンジニア出身

特許事務所、企業知財部のいずれも、特許を担当する弁理士の多くはエンジニア出身です。

これは特許明細書を書くときに必要な、技術内容を理解するという点において、エンジニア時代に習得した知識が大きなアドバンテージとなるからです。

特許事務所ではエンジニア出身の中途採用者が、企業知財部では開発部門から異動してきた方が、特許を担当することが多いです。

転職後の年収はどうなるか

エンジニアから特許事務所に転職した場合、転職直後の年収は企業時代よりも少なくなるのが一般的です。

筆者の知っている範囲ですと、1年目の年収は概ね300~400万円となることが多いです。

ただし特許事務所には、実績に応じて年収が上がりやすいという特性があります。特許実務10年で外国案件もする、という状況であれば、年収800万円以上も可能です。

また特許事務所では、60代になってもそこまで年収を減らすことなく仕事を続けることが可能です。企業勤めだと60歳を過ぎた場合、年収が50代の約半分になることがあるのと、かなり違いますね。

とはいえ企業の場合、家賃の一部負担といった福利厚生があるところも多いです。一方の特許事務所では、この種の福利厚生はほとんどありません。この点においては、企業のほうが有利であるといえます。

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特許事務所に転職する場合の注意点

知財業界で働くなら、職場は特許事務所と企業知財部の二つに分かれます。

一般的に、エンジニアから特許事務所に転職するのは、比較的容易だと言われています。

特許の出願業務や中間業務では、技術力や文章表現力のスキルが問われますが、技術力については特許事務所で指導することが困難であり、エンジニアとしてのスキルに頼ることが多いからです。

転職できる年齢

エンジニアから特許事務所に転職する場合は基本、実務未経験としての転職になります。この場合には、20代後半~40歳くらいまでが、採用される年代となります。

ちなみに筆者は30代前半で、エンジニアから特許事務所に転職しました。

弁理士試験を受験するタイミング

弁理士として働きたいなら、転職と資格取得のどちらから始めるべきか、悩むこともあるでしょう。

弁理士試験に合格してから転職する、転職してから試験勉強を始める。どちらのケースにもメリット・デメリットがあります。

どちらを選択するのがよいか、という点については、その人の置かれている状況によって変わると思いますが、私の周囲では前者、つまり先に試験合格をしてしまう方が多かったです。

その理由としては、転職自体が大きな決断を要するもので、容易にはできない、ということが挙げられます。

とはいえ筆者自身は後者のパターンで、エンジニアとして数年企業に勤務した後、特許事務所に転職し、転職と同時に弁理士試験の勉強を開始しました。

知財部に異動する場合のポイント

企業の知財部については、エンジニアの方を中途で採用することはまずありません。そのため、エンジニアから企業の知財部への転向は、ほぼ異動によるものになります。

知財部がある企業ですと、エンジニアから知財部への異動は珍しくないです。そして、この異動は必ずしも本人の希望ではないことがあり、知財部で何をするのかよく分からないまま異動するケースも見られます。

しかしエンジニアから移ってきた知財部の方は、技術面での知識が豊富であるため、特許業務において重宝されます。

また出願業務や拒絶理由対応のほかにも、発掘業務や他社の権利に関する調査など、様々な業務に携わることができます。

異動後(転向後)の特許事務所への転職

知財部に異動した後、知財部での経験を積んで、特許事務所に転職する方もいます。

この転職の特徴として、企業での定年退職を意識しはじめる50歳前後での転職が多い、という点が挙げられます。

企業の知財部から特許事務所に転職する場合、実務経験者としての転職になるため、特許であれば、50歳前後でもある程度の求人はあります。

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エンジニアと弁理士試験を両立させるコツ

エンジニアと弁理士試験の両立は体力的、精神的な面で、苦労することが多いです。しかし、私が弁理士試験をしているときにも、エンジニアと弁理士試験を両立している方はかなり多かったです。

エンジニアと弁理士試験を両立させる主なポイントとしては、勉強時間の確保、モチベーションの維持、周囲の理解があげられます。

勉強時間の捻出

弁理士試験に合格するためには、週30~40時間の勉強を2.3年続ける必要があります。

例えば週30時間勉強するなら、月~金は毎日3時間、土日で合計15時間勉強する生活を続けることになります。そのため、仕事の残業時間が少ない、休日出勤がない、という条件はどうしても必須となります。

勉強時間や試験勉強のコツについては、こちらの記事でも解説しています。

職場に試験のことを言うべきか?

エンジニアとして企業に勤めているなら、職場に試験のことを言うのはリスクが伴います。弁理士試験の勉強をすることは、転職の準備であると理解される可能性があるからです。

実際、筆者が弁理士試験を受験しているときにもエンジニアの受験仲間がいましたが、職場に弁理士試験のことを伝えていない、という方のほうが多かったです。

家族の理解

上述したように、弁理士試験に合格するためには、土日で15時間程度の勉強時間を確保する必要があります。

そのため家族には、旅行に連れていけない、家事・育児を配偶者にお願いする、など相応の負担を強いることになります。

この点について家族の理解が得られず、勉強時間を確保できないとなると、弁理士試験の合格は非常に厳しくなります。

受験機関の使い方も重要

資格会社といった受験機関の使い方も、弁理士試験の合格に大きく関わります。

受験機関の使い方として、通学、通信のどちらを選ぶか、という点があります。

【通学のメリット】

  • 決まったペースで講座が進むため、勉強のペース配分をしやすい
  • 先生や受験仲間から勉強に関する様々な点について質問をできる

【通信のメリット】

  • 仕事との関係で通学が困難であっても受講できる
  • 通勤時間などの隙間時間を使える

ただ受験機関を使う場合、どうしても受講料がかかります。

なかには受講料の高い講座もありますが、独学では効率よく勉強することが困難であるため、特に入門講座については、受講することをおすすめします。 

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